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グローバリズムとは何なのか 資本主義が蝕む世界 企業が国を超える日が来る?

投稿日:2019年12月9日 更新日:


以前、日米FTAについて記事を書きました

FTAとは何? ポイントを分かり易く解説します 危険なの? – よんどころない話

この記事ではFTAについての概要を分かり易く書いた物ですが、

今回は、このFTAにあるISD条項やラチェット条項などを使って、どんな事が起こると予想されるか、

また、

今、企業(多国籍大企業)がいかに力を持っているかを見ていこうと思います。

「大企業」の画像検索結果

これは今現在の社会の姿です。

良く聞くグローバリズムとは何なのか、一緒に調べていきましょう

国が企業に訴えられる

小泉政権時、日本は郵政民営化しました。

また、先日お亡くなりになった中曽根政権時には電電公社(NTT)や国鉄(JR)が民営化されています。

そして今また水道が民営化されようとしています。

「水道民営化」の画像検索結果←水道民営化の急先鋒・麻生氏 

なぜ日本は次々と民営化をしようとするのでしょう?

例えば水道民営化について簡単に言うと、

国はメリットして

財務負担が減ったり、

水道経営が安定したり、

顧客サービスの向上があるとしています。

しかし、よくよく調べてみると、

水道料金が値上がりしたり(他国では民営化で料金が約5倍になった例も)、

水質が低下した例もあります。

また、小さな自治体など収益が見込めないところは見捨てられる可能性も出てきます。つまり、お金があれば綺麗な水が飲めるし、無い人は水を飲むな、となるわけです。

ちょっと極端に聞こえるかもしれませんが、

民営化されて、営利を求める企業がやれば、考えられない事ではないのはお分かりいただけると思います。

水道は基本的に競争はありません。

そして、誰もが使わざるを得ないものです。

これが企業にとってはいかに金の卵である事か、想像に難くないでしょう

多国籍企業はこの利益に目を付けたのです。

民営化すれば、その株式を買ってしまえば、その事業は株主のものになります。

利益は思いのままです

これらの流れは所謂グローバリズムの流れを汲むものです。

さらにTPPやFTAは、民営化などとまだるっこしい事は無しに、全てを飲み込もうというもの。

具体的には外資企業も内国民待遇にしないと訴えられる、というものです。

※内国民待遇・・・自国と同様に相手国の人や企業を扱う、ということ

FTAが本格的に始まってしまえば、

道路や橋、河川改修、ガスや電気などのインフラ、産業振興や地域事業などの公共事業に外資企業が参入することを止められなくなります。

これを拒めば、訴えられ賠償金を払わなくてはいけなくなります。

日本はアメリカのように、

お金がない人はどん底の生活をしなければいけなくなります。

アメリカを見てみる

アメリカはご存知のようにお金が全ての国です

極端な言い方をすると、お金を持っている人は善で、無い人は悪です。

資本主義とはそういうものだと言えばそうだし、資本家たちには非常に都合のいい社会です。

そして日本もそのようにされようとしています(即ちそれがグローバリズム)

では、今後日本もなる可能性のある、お金が全ての国とはどんな状態なのか

少しだけその先輩であるアメリカを見てみましょう

「アメリカ」の画像検索結果

①高額な医療制度

ご存知の方も多いでしょうが、アメリカは日本のような国民皆保険制度はありません。自由診療が基本です。日本では皆保険制度で自己負担は3割ですが、アメリカは全額自腹。その為、民間の保険会社の医療保険に入らないと非常に高額な請求をされます(例えば目薬一つで1万円くらい)。

民間保険も良く見ないとどこまで保証されているか、の問題もあるので全てをカバーしようとすれば結構な額の保険金を払う必要が出てきます。

ちなみにアメリカで最も多い破産パターンはこの医療破産です。

また、乳児死亡率も先進国の中では最高です

②公立の保育園は無い

日本はこの前の消費税増税で保育料が見直されましたが、アメリカにはそもそも公立の保育園が存在しません。従って仕事などで子どもを預ける場合、全て私立の保育園に預けることになります。

その保育料、実に概ね月10万円~20万円前後。

働きに出ても、保育園に預けると赤字なんてことも充分にある数字ですね。

また、育休制度も乏しく、働いていない間は基本無給です。

③普段の食事

質の良い野菜や肉、果物はけっこうな値段がします

よって、ある程度の収入がないと食事は買うことになります。

つまり、マクドナルドのような安い食事がメインになるのです。

こういった食事はカロリーはありますが、栄養価は低いため、アメリカの肥満罹患率は極めて高い状態です。つまり、短命で健康状態の良くない人生になる可能性が高くなります。

④増え続ける貧困層

2017年にアメリカ国勢調査局が調査した結果、国民の8人に1人に当たる12.7%が貧困していると発表しました。

別の調査では5人に1人(20%)が貧困しているとの結果もあり、その問題は広がり続けています。

またアメリカには福祉制度としてフードスタンプ(食糧配給のようなもの)が貧困層向けにありますが、アメリカは福祉制度は削減傾向にあり、今後はどうなるかは不透明です。

⑤投票も出来ない

アメリカは有権者人口のうち、登録有権者になっているのは60%ほどで、そもそも投票に行けない人もいる。

(アメリカは有権者登録しないと投票できない)

日本は99%、イギリスでも91%はなのでこの差がいかに大きいかが分かります。

⑥社会復帰が非常に困難

アメリカは刑務所も民間企業です。囚人は日給400~500円で働かされます(そこで作られた家電や家具は普通に市場で売られる)。

更に囚人の食費、衣服費、宿泊費などは有料でしかも市価の数倍します。当然囚人は払えないので借金まみれになります。

服役後、就職をしようとしても、借金があるという理由で就職を断られることは珍しくありません。当然、再犯率は上がります。

そしてアメリカにはスリーストライク法があり、一生塀の中の奴隷として働き続けるのです。

※スリーストライク法・・・3度有罪判決を受けると、3度目の罪状に関わらず終身刑が確定するというもの

「アメリカ 刑務...」の画像検索結果

ブルームバーグ社(米マスコミ)のベン・スティバーマン氏が語るところによると、「アメリカ人の所得下層半分を合計すると、その純資産はマイナスだ」という。

アメリカでは富の20%は上位0.1%の富裕層が占め、

上位1%まで広げると、富の約40%を占め、

逆に下層からの90%を集めても約25%にしかならないという。

つまり、一度貧困に陥ってしまうと、

投票に行って社会を変えたり、

就職してやりなおしたり、

医療受けたりすることが非常に難しくなってしまいます。

もちろん、アメリカにも良い所はあります

例えば、

金が全て、と言うところです。

金が全てなので、金を媒に介すれば、平等が与えられます。

カースト制度などでは、建前上は平等でも実際は絶対に覆らない身分の差があります。

しかし、アメリカではどんなことをしても金さえ持っていれば認められます。

つまり金の元に平等が約束されているのです。

(多少皮肉もありますが、カースト制度などよりは良い所だと純粋に思います)

他にも、

寄付の文化がある所

アメリカは社会的に成功すると、寄付を行う事がステータスだとされています。

日本では社会的に成功しても大々的に寄付をしている社長とかあまり見ませんよね・・・(中にはいますけどね)

これは見習うべきだと思います

こういった良い所だけ真似られればいいのですが・・・・

大企業が国を支配する日が来る

アメリカの中身を見ていただいて、

国民は実は国ではなく、企業とのやりとりが非常に多いことがあると思いませんか?

医療も民間企業

保険も民間企業

保育も民間企業

刑務所も民間企業

ちなみに中央銀行たるFRBも純粋な(100%)民間企業です

「FRB」の画像検索結果←FRB

そして、勘の良い方なら気づいておられるでしょうが、

TPPやFTAは、国と国との条約とは名ばかりで、

実際は

多国籍企業が他国で好き勝手するための約束事です

その中身を少しご紹介しましょう

アメリカ資本の会社アビティビボウォーター社はカナダのニューファンドランド州にあった工場を閉鎖しました。その後、同州政府がその工場跡地を接収し、水源と森林伐採地にしました。

そこでアビティビボウォーター社は、州政府を訴え、150億円の損害賠償請求をしました。

「あの時工場を閉鎖しないでいれば水源や森林伐採として利益が出たのにその機会を逃したから保障しろ」、といってきたのです。

どう考えても無茶苦茶な話ですが、ICSID(国際紛争センター)は、このアメリカ企業の勝訴としているのです。

同じくカナダのオンタリオ州ではグリーンエネルギー法というものを作りました。

これは再生可能エネルギーの促進や同産業の雇用促進などを目的としたものでしたが、

これに対し、アメリカのメサパワーグループ社は、

「地元企業に有利な政府補助金を支給している」(つまり多国籍企業に不利益)として州政府に930億円もの賠償請求をしています。

日本でも政治家は

経団連などの大企業及び資本家たちの言いなりになっているとよく言われますが、

このように

企業が国及び政府を直接訴えたり、

企業が政治家を動かしたりは既に日常的に行われています。

そして、先ほども書いたようにFRB(アメリカ連邦準備会=アメリカの中央銀行)は完全に民間企業です。

アメリカでは、完全な民間企業がドルを刷っているのです。

日本の中央銀行・日本銀行も約半分の株式は民間です。

しかもそれは非公開となっています。

これを持って日本銀行を民間のもの、というのは言い過ぎかもしれませんが、円を刷ることによって利益を得ている人たちがいるのは間違いないでしょう

これらの「現実」から、

企業が国よりも強い

というのも、一理あるとは言えないでしょうか?

そして、全世界的に続く格差の拡大は、

より大企業が力を増している事の証です

いずれ、

企業が国よりも権力を持つ、

あるいは

企業が国を作る

そんな日が来ないとも言えません。

 今後の為に

これから世界はどうなってしまうのか?

正直、私には良く分かりません

しかし、一つ言えるのは、

このまま庶民が黙っていれば、

格差の拡大は続き、

福祉は削減され、

はっきりと「身分の差」が出来てしまうでしょう

この間知り合いの地方議員と話をしたときこんなことを言われました。

「今の政府じゃ駄目だけど、かと言って自民党以外に投票しても何も出来ないしねぇ」

私はこの人正気か?と思ってしまいました(笑)

地方議員なんて、このレベルの人がウジャウジャいるようです。

政治・経済に疎い議員なんてけっこういるんですよね

私の別の知り合いの議員なんて、ストーカーで捕まってもまだ議員やろうとしてます(笑)

しかし、わずかですが、まともな政党も出来てきています

(まぁ個人的意見ですが・・・いずれその政党名も書ければよいのですが・・・)

まだ諦めるには早いと思います

調べて、聞いて、考えて

どこに投票するか

何を買うか

そんな普段の行動が、社会を変える可能性を秘めています

子どもに安心して残せる社会、作っていきたいものです

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