風邪を引いたことのない人はいないでしょう
冬はもちろん、春だろうが夏だろうが引いてしまう、非常に身近なものである風邪。
ほとんどの人が引いたらやっかいだな・・・といった感じで捉えているのではないでしょうか?
この”風邪”に関して、もしかしたら我々は間違った認識を持ってしまっているかもしれません。
「風邪は万病のもと」
この言葉の本当の意味を探っていきましょう。
風邪は誰でも引いたことがありますし、どの季節でも罹ります。
風邪の原因はウイルスと言われています。ウイルスに感染し、免疫力が落ちていたり疲れていたりするとウイルスに負けて病気になってしまう・・・
そんな感じだと思います。
しかし、風邪の本当の原因はこの”ウイルスによる感染”と言い切れるのでしょうか?
野口整体の創始者・野口晴哉(のぐちはるちか)氏は次のように残しています。
頭を使いすぎて頭が疲れても風邪を引く
消化器に負担をかけ過ぎても風邪を引く
腎臓を働かせすぎても、酒を飲み過ぎて肝臓を腫らしても風邪を引く
しょっちゅう心配している人は神経系統の風邪を引く。
これだけですと、要は疲労などで免疫力が下がってウイルスに暴露した際にウイルスに負けて発病する・・・とも取れますが・・・
野口晴哉氏は次のように続けています。
そうやってそれぞれのその人なりの風邪を引くと、その偏って疲れているところがまず弾力性を恢復(かいふく)してきて、風邪を経過した後は弾力のあるピッチリした体になる。
だから風邪というものは治療するものではなくて、経過するものでなくてはならない。
このように、野口氏は
風邪の原因は身体の中にこそある、といっています。
そして、治療ではなく経過させるものだ、とも。
実は、これらの言を証明するかのような研究結果も、現代にはあるのです。
風邪が、身体の中から発生するものという考え方これまでにも確かにあったのです。
その1つが千島学説(千島・森下学説)。
もう1つがアントワーヌ・ベシャンによる細胞論です。
この2つの学説は時代も国も違いますが、共通項が多々ありますので、ここでは同様のものとして話を進めます。
この学説の要点は以下の通りになります
✅病気は身体の中にある細胞(の悪化)が原因である
✅病気は不健康な状態の身体が作りだす
✅病原菌(ウイルス)は身体の中で作りだされる
※風邪に関連することに絞ってご紹介しています
簡単に説明しますと、
身体に疲れやストレスが溜まったり、不健康な生活を続けていると、
身体を改善するために(排毒するために)身体は自分で病原菌を産生し、自ら体調を崩させ(風邪など)、身体を整えようとする
ということなのです。
ちなみに、千島学説は細胞の徹底的な研究から導き出された学説です。
この他にも、風邪の原因は「身体の中」にこそあると考える学者はいます。
医学の祖・ヒポクラテスは
「病気は、身体が浄化や解毒を求める叫び声である」
と語っています。
医学博士アンリ・ビラーも
「病気の主たる原因は細菌・ウイルスではない。病気とは、細胞が損なわれ、壊れたことによる毒血症に起因する。」
と残しています。
また、近代西洋医学を作りだしたといわれるR・ウィルヒョウですら
「人生をやり直せるとしたら、細菌は病気の原因ではなく、むしろ病気の生体組織を求めるのだということに尽力したい」
などと、自らの細菌病原論(病気とは病原菌やウイルスに感染することによって発生するという理論)を否定する発言をしているのです。
上記のことを証明できるのが東京医科大学の研究するエクソソームです。
エクソソームとは体内で産生されるウイルスに酷似した(というか同じ?)ものです。
※体内でエクソソームが作られていることは科学的常識です
私自身、感染というもの自体が無い、とは思いませんが、
感染というものが病気の決定的原因ではないというのは間違いとは言い切れないでしょう。
これらのことと、日本語の妙を合わせてみましょう。
普通、病気は罹る(かかる)、といいます。
しかし、風邪だけは引く(ひく)です。
風邪だけは「引き込んでいる」のです。
野口整体の野口晴哉氏の観点から言えば、
風邪は万病の元、というのは、
風邪になり、経過させ、体調を戻さなければ、あらゆる大病の元になる・・・
と捉えることが出来るのではないでしょうか?
もう一度野口氏の言葉を見てみましょう
風邪というものはうつらない(感染しない)のです、本当は。(中略)
引くべき体の状態なら引くし、うつれば儲けものと思っている。風邪を引けば丈夫になるのですから、うつってもちっとも構わない。(中略)
気を弛めて(ゆるめて)寝るということが風邪を治す場合の重要な条件です。
私自身、上記のような風邪は身体の中から発生する、ということが事実かどうかは解りません。しかし、これが事実であるとは感じています。
様々な学者の意見や、現在の金権医療体制、そして自分自身の身体での体験を思いかえせば、「風邪は引き込むもの」ということがしっくりくるからです。
風邪で何日か寝込んだ後、やけに身体がスッキリした、という経験がある人は少なくないと思います。それは上手く排毒が出来た、という事だと思います。
風邪のみならず、病気や身体の痛みなどは全て身体からのサインです。
ストレスが溜まり過ぎている(風邪や鬱)
特定の場所を使いすぎている(腰痛や肩こり)
バランスが悪くなっている(各所の炎症)
食べ物が身体に負担をかけるものが多い(胃腸の不調)
病気の多くは、普段の生活が原因で起こります。
病気とは、
生活を変えないともっと大きな病気になる・・・
人生を変えないと重大な問題が起きる・・・
そういったサインだと思います。
そう考えれば、病気とは厄介なものではなく、
自分に大切なことを教えてくれる、とても肝要なものだと解ります。
本当は感染というものはあり、細菌が原因かもしれません(実際に細菌が原因の疾病も存在します)。
しかし、医者や学者の言葉ではなく、
自分の身体のサインを、身体の声をもっと聴いてみることを、大切にしても良いのではないでしょうか?