今月(2019/12)4日、日米貿易協定(TAG、FTAのこと)が国会で承認されました。
これにより、アメリカからの輸入品は安くなります。
嬉しい方もいるでしょうが、アメリカの食品なんかは調べれば調べるほどヤバイので、私はオススメ出来ません・・・
FTAもやばいのですが、
それは以前に記事にしましたので、
今回はこの時同時に国会承認された
「日米デジタル貿易協定」
について書いていきます
これもなかなかに黒いですし、
FTA同様、ほとんど報道もされていませんので、
これを読んで、他の方にも伝えてあげてください
この日米デジタル貿易協定とは、
日米間のデジタル関連貿易を促進しましょう、というものです
ここで言うデジタル関連貿易とは、
上記のようなもので、
基本的に国境をまたぐデータの移転を前提にしています
更にこれに
も含まれてきます。
つまり、上記のような取引を日米で活発に行おう、というのがこの協定の趣旨になります。
もう少し詳しく見ていきましょう
具体的な主な内容をご覧ください
これらを見て、ピンと来た方は鋭いのですが、
つまり
Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)などの企業に非常に有利な条項が揃っているのです
「強制的なテクノロジー移転・開示要求の禁止」
これらはソースコードやアルゴリズムを国が閲覧を要求できないという趣旨の物
ソースコードとは、簡単に言うと機器を動かすソフトウェアの設計図
アルゴリズムとはAIなどの思考方法(思考手順)のことです
これらを政府が中身を見ることを禁止する、という条項になります
これらにより、何かハプニングが起きた場合、国による原因の追究が出来なくなります
例えば個人情報がダダ漏れしてしまった場合
自動運転の車で不可解な事故が起きた場合
取引に置いてトラブルで一方的な損害を被った場合
その原因を知ることが出来るのは、グーグルなど会社だけということになります。
車の事故とか凄い揉めそうですよね・・・保険金を払うとか払えないとか
自動運転車は事故の前例が出来てから買った方が良いかもしれません
「デジタル製品の関税廃止」
デジタル関連の商品には税金をかけるな、というもの
日本のデジタル製品の輸出はここ数年、減り続けています
アメリカは堅調な数字をキープ
アメリカに有利なものであるのが解ります
「国境を越える個人情報を含むデータ移転の自由化」
多国籍企業の好きなようにやらせろ、という条項
次のサービス提供者の免責と併せて考えるとよい
「SNS等の双方向コンピュータサービスの提供者の損害責任の免責」
SNSやネットでの商取引、あるいは検索サービス、情報提供においてサービス提供者(Googleなど)は一切責任を負わなくても良いという事
極端な例を書きますが、
例えば日本に対して、
日本を侮辱する内容のニュース
国民を騙すためのニュース
これらを流してもサービス提供者は、責任は負わない、ということです
(あくまで極端な例ですが)
個人情報が漏れたとしても、損害は請求できないかもしれません
端的に言って大きく変わることは無いでしょう
(だからあまり取り上げられない)
しかし、上記の内容から、大企業群が好き勝手やろうとしている事は解ると思います
とは言え何か問題が起きたとき、
企業に原因を確認してもらったり、賠償をしてもらえない可能性が非常に大きくなるというのは間違いなく、利用者としては不安が増えてきます
そしてFTAの記事と併せてご覧になっていただければより鮮明になりますが、
これらは国と国との条約というより、
国と大企業との契約です
俺たち大企業には好きにやらせろ
利益は確保させろ
情報は渡さない
責任は追及するな
何かあったら(裁判を起こして)賠償しろ でも俺たちは賠償なんてしないぜ
こういうことを言ってきているわけです
こんなの日本が呑んでいたら、
国力が弱まるのは、火を見るより明らかだと思いませんか?
これも大きく見れば格差拡大の政策と言えるでしょう(政策と言えるかどうかは置いておいて)
このまま放っておけば、格差は広がり続けるでしょうし、搾取は続くでしょう
我々一人一人も、普段の消費活動を見直すこと、より良い人を選挙で選ぶことなど、出来ることからで良いのでやっていく必要があるでしょう
これからも一緒に考えていきましょう