今日は2019年11月19日に
衆議院で承認案が可決された
日米FTA(日米貿易協定)について解説していきます
※追記
TPP11と名前を変えて批准してしまいました。
巷では識者などがけっこう騒いでいますが、
一体何なのでしょう?
本当に医療費が凄まじく高くなってしまうのでしょうか?
我々の生活にも直結しますので、
ぜひ読んで考えてみてください
(こういうの学校で教える必要があると思うけどなぁ・・・)
まずFTA=日米貿易協定とは何なのか、から見ていきましょう
※今、日米政府はFTAではイメージが悪いと知っていて「日米TAG」と言っていますが中身は結果として同じものになることは容易に想像がつくのでそういう感覚でご覧ください
※追記TPP11、またはCPTPPと名前を変えています。中身はほとんど変わりません
FTA(Free trade agreement=自由貿易協定)とはその名の通り、貿易に関する条約で、
「貿易をもっと自由にやって経済を活発にしよう」
というのが(表向きの)理由です
メインは、関税(輸出入に関わる税金)の引き下げでしょう
これが行われると、企業が輸入する時はコストが安く済むようになります(税金が減った分)
結果として、消費者が安く買えるかもしれません(安くするかは企業次第)
その他、
✅ビザの発行条件の変更や、ビジネスマンの交流(おそらくビジネス関係でのビザ発行を緩和させる)こと
✅通関の仕組みの変更
など色々あります
が、大きくは、
日本とアメリカの貿易を今までと違うルールにしてやろうよ
というのが目的になります
では、その具体的な目的は何なのでしょうか?
アメリカはFTAで何を日本に求めるのか?
この質問に対し米国通商代表部(USTR)のウインディ・カトラー代表補がこう答えています
「米韓FTAの内容を見ろ。日本にはそれ以上を求める」
これは米韓FTAを見てみないわけにはいきません
米韓FTAの内容は以下のようです
ひとつひとつ簡単に見ていきましょう
関税の引き下げ
これは先に書いた通りです。関税を引き下げあるいは撤廃して、貿易を拡大しようというものです。
ISD条項
これが悪名高い条項。詳しく書けば原稿用紙10枚以上になってしまう(いずれこれも記事にします)ので、簡単に言えば、企業に不利益があればICSID(投資紛争解決センター)に訴えて裁判しますよ、というもの。
しかし裁判に入れば採択する人がアメリカの息のかかった人が多く、多数決で必ずアメリカが勝つようになっている仕組みです。
実際、韓国企業が5500億円すでに訴えられています。
ラチェット条項
ラチェットとは一方向にしか力が入らない工具の事
転じて、一度決めたことは戻せないようにする条項です
例えば、アメリカの車の関税を撤廃したとします。
そしてその後、アメリカの車に重大な欠陥が発見されたとします。
しかし、ラチェット条項で、関税は撤廃されたままなのです。しかも輸出量を減らすとISD条項で提訴されます。
これにより、韓国では
学校給食の地産地消が不可能になりつつあります。
為替条項
ざっくり言ってしまえば、為替をアメリカが一方的にイジれるということ。
ドルの信用力確保の一環。しかも法的拘束力がある。
これにより、いくらでもアメリカ(の企業に)有利な為替相場を作れる
場合によっては国内の経済政策(金融緩和など)ですら為替条項に引っかかる事もあり、自国の事を自国で決められなくな事も出てきます
そしてもし上手くいかなくてもISD条項を使い(以下略)
NVC条項及び最恵国待遇の確約
NVC条項(非違反提訴)はアメリカの企業が思ったほど利益をあげられなかった場合、韓国側に落ち度がなくとも訴えることが出来るもの
最恵国待遇は、もし韓国が他の国との条約でアメリカよりも有利な約束をしたら、アメリカも同じかそれ以上の条件で条約を治せること、です
言う事を聞かなかったらISD条項で(以下略)
もう一度書きます。
「米韓FTAの内容を見ろ。日本にはそれ以上を求める」
韓国は経済規模は東京都より小さいくらいですし、
GDPの約7割が輸出に頼っています(日本は約2割)
医薬品はアメリカの条件をほぼ丸呑みせざるを得なくなっていますし、企業も大きい所は全て株式を外資に乗っ取られているような状態です。
一度デフォルトもしている韓国は、もはや侵略されつくしているのかもしれません
※追記
CPTTPにアメリカは入っていません。しかし、これは国と国の協定というより世界的に多国籍企業のような大企業を優遇しよう、というのが目的です。アメリカの多国籍企業も参加地域に会社を置いてあれば適用されるようなので目的はそれで満たせます
以上のように、日米FTAは米韓FTA以上のものを要求されています
日米FTAに関して、詳しくは外務省もその中身を出していますのでお時間ある方はご覧ください↓
ちなみに、今回(2019・11・19)、衆議院で承認されたFTAでは、
ISD条項や為替条項は入っていないようです。
なので今回の承認を日本危ない!潰れる!はまだ言い過ぎかもしれません
しかし結局、最終的にはFTAにISD条項、為替条項、ラチェット条項などをつけていく予定なのは解りきっています
危険な物だということには何ら変わりありません
そしてご覧になってお分かりかと思いますが、この条約は
非常に不平等条約です
よく話題になる医療費の問題も、
決して目を離せる問題ではありません
例えば、現在日本は
国民皆保険の制度がありますが、
これを持って
アメリカの企業(製薬会社など)に不利益が生じた
⇒日本国を提訴
⇒当然アメリカが勝訴
⇒賠償金が数千億~数兆円
⇒これを払うために増税、及び、社会保障の低下
⇒国民皆保険の廃止
⇒医療費の高額化
※日本と似たような保険制度を持つカナダでは企業より既に告訴され賠償金を支払った実例があります
※アメリカでは無保険だと盲腸の手術で700万円ほどかかるそうです。今の日本の国民皆保険制度だと10万円程度
これは充分に考えられるシナリオです
アメリカは非常に貧富の差が激しいのは有名ですが、
この医療破産が、破産者のもっとも大きいパーセンテージを占めているそうです
↑アメリカの医療制度を問題にした映画
日本は現在、TPPに入っていますが、
TPPに入る前にも揉めていました。
それは今回取り上げたISD条項などが入っていた為(TPPではISDS条項になっている)です。
ちなみに自民党は野党だった時(民主党政権時)、選挙で
「自民党はTPP絶対反対!」
というマニフェストを掲げていました。
政権奪取後はTPP大賛成してましたが(笑)
その後、TPPに参加しても、大きな騒ぎにならないのは、やはりアメリカが参加しなかったのが大きいからでしょう
アメリカがTPPに参加しなかったのは軍事面なども含め様々な理由があったと推察されますが・・・・(まぁ準備が整えば再び参加することも充分考えられますが)
さて、今回、この記事を書くにあたり、
TPPやFTAについて改めて調べてみましたが、
けっこう賛成派のものが多く出回っているんですね
マスメディアは当然として、御用学者など、
無理矢理あげたメリットばかり強調して、
デメリットは
「そんなに心配いらない」
「すぐに問題にはならない」(すぐに、というのが逃げ道)
などと言って誤魔化している感が拭えません
私は専門家ではありませんが、
専門家が正しいことを言うとは限らない
ということは肝に銘じた方がいいかもしれませんね
(もっとも私のいう事も実に怪しいですが・・・(笑))
マスメディアは専門家、〇〇大学教授、などという肩書があると信じる人が多いのを知っています
人間心理として、見た目の良い人の話の方を信じてしまう傾向にあることを知っています(だからそういうアナウンサーを採用する)
何が本当の事か、
自分で調べて、自分で考えて、
そして周りの方たちと話し合って、
良い未来を考え、作っていきたいですね
日本を本当に守るのは、
これからは我々庶民・・・かもしれません