日本で5Gが広まり始めて既に2年以上が経過しています。
しかし、アーカイブなどでも書いた通り、既にその次の通信技術「6G」の準備は着々と進んでいます。
6Gに関してはまだまだ情報は少ないのですが、研究レベルではある程度のことが解ってきています。次の通信システムはいったいどんな世界を生み出すのでしょうか?
今現状で確認できる6Gについての情報をまとめてみました。
4Gが本格的に始まったのが2010年で、5Gが導入されたのが2020年。
次の通信システムである6Gは2030年を目安とされており、約10年スパンでの通信すステムの大改革が行われています。
6Gがどのような技術なのか・・・
利用者向けの説明は、
✅通信の超高速・大容量化
✅超カバレッジ対応(超広範囲通信)
✅超低電力・低コスト
✅超低遅延(通信障害の最小化)
✅超信頼通信(災害時でも最速で復旧するなど)
✅超多接続(非常に多くのデバイスに繋がれる)
このようなものが言われています。
ただこれらを簡単に言ってしまうと、
「より早い通信性能と、丈夫な通信設備」
というような感じでしょう。
では、この6Gを利用して、どのような世界が訪れるのでしょう?
これはムーンショット計画も大きく関わってくるため、政府が発信している情報を見るのが一番だと思われます。
総務省の情報通信審議会が出している「未来を掴むTECH戦略」がとても分かりやすく作られています。
未来を掴むTECH戦略は分かりやすいのですが非常に長い(91ページもある)ので、
以下にまとめてみたいと思います。
政府は2030~2040年頃に実現したい未来として
I(inclusive)インクルーシヴ
C(conected)コネクテッド
T(transform)トランスフォーム
この3つ(ICT)を挙げています。I(inclusive)インクルーシヴ
✅職場スイッチ・・・どこでも仕事が出来る。AIにより仕事が簡略化されるため複数の仕事をこなすように
✅パノラマ教室・・・VR・ARを使ったより臨場感のある授業
✅お節介ロボ・・・家の雑事はロボットが行うように
✅あらゆる翻訳・・・スマホなどのデバイスを介しあらゆる言語を翻訳
✅100年ボディ・・・補助アームなどを使い身体をサポートC(conected)コネクテッド
✅どこでも手続き・・・24時間、AI執事が行政手続きをおこなう
✅どこでもドクター・・・体内にインプラント端末を埋め込み健康状態を管理。AIによる診断や遠隔治療(超音波など)も行える
✅クルマヒコーキ・・・自動運転による空陸両用の車両が運用される
✅あちこち電力・・・ワイヤレス給電
✅時空メガネ・・・AR(メガネ)による観光サービス。当該地の各時代を見れるT(transform)トランスフォーム
✅三ツ星マシン・・・レシピを再現するロボ。各家庭でも使えるように
✅えらべる配達・・・ドローン配達や無人スーパーが直接来てくれるように
✅全自動農村・・・ドローンやロボットなどで多くの作業をAIが行うように
✅手元にマイ工場・・・製造をAIが行うため、手作り=情報作りに
✅らくらくマネー・・・完全キャッシュレス化
このように非常に便利な社会が目指されています。
これらのために6Gが造られ、活用されていくことになります。
ここで勘違いしたくないのは、
これらがすべて無料で行われるわけではない事でしょう。
この社会の実現には大企業の力が絶対に必要です。
つまり、営利企業としてお金儲けも重なってきます。
こうしたサービスが無料で享受できればとても良いでしょうが、常に毎月決まった額を支払う必要があるとしたら、そのために働く必要が出てきます。
しかし、ご覧のようにAIにより多くの仕事はなくなります(役所など数人で充分になってしまう)。
今までになかった仕事を創出するか、あるいは、仕事を複数抱えて稼ぐしかなくなるでしょう(一部のエリートを除く)。
とはいえ、とても便利な社会であることは事実。
これに社会信用システム(人間に点数を付けるシステム)を併用すれば、犯罪者は身動きが取れなくなり、安心で安全な生活が営めることでしょう。
進歩する文明は、とても私たちにとって重要で希望に満ちたものといえるでしょう。
次に6Gに関する研究も少し見ていきましょう。
中国の北京師範大学の李氏などの研究グループは、
次世代高速通信6Gに使われる周波数の候補であるテラヘルツ波についての研究結果を報告しています。
マウスのニューロン細胞に対してテラヘルツ波0.3~3を照射したところ、
ニューロンが150%早く成長し、健康に影響は全くなかった。
ニューロンを繋ぐ軸素も3日間で2倍の長さになった。ただし、その後は成長が著しく遅くなった。
李氏らは「この発見は新しい通信技術の安全性のみならず、脳の病気への新しい治療法の開発にも寄与するだろう」、と語りました。
また、同じ中国の西安交通大学では、
マウスに対し、90mWのテラヘルツ波を1日20分、3週間照射させたところ、
若いマウスの新しい脳細胞が大幅に増加したことが確認された。
反面、年老いたマウスにはこうした反応は確認されなかった。理由は不明。
といった報告もされています。
5Gは各所で健康被害や、問題を指摘する研究が報告されてきました。
今でも5Gを中止している地域もあるくらいです。
それと比較すると、随分良い結果が出ているようです。もっとも研究大学が中国というのは少し怪しいですが・・・
総務省の情報通信審議会の資料を見ると、
2022年はロボットをより活用し始める年として考えられています。
2022年からスタートしようとしているのは
「ロボットの社会進出」と、「人体とコンピュータの融合」です。
ロボットの社会進出は分かりやすいですが、人体とコンピュータの融合とはどんなものでしょう?
これは人の身体の中に医療用インプラントの埋め込みや、デバイスを脳内などに埋め込むといった事だと考えられます。コンタクトレンズ型のディスプレイなども用意されているそうです。またそういった技術の応用により人体を補強し肉体性能の向上なども含まれます。脳内のデバイスを念じることで操作し、すぐにインターネットに脳内接続されたりします。
まさに、マンガや映画でみたような社会が、
手に届きそうなところまで来ていると言えるのではないでしょうか?
・・・・・社会は大きく変わります。
既存の価値観では到底理解できないような世界が待ち構えているようです。
その世界は、とてつもなく便利で、何事も楽にできるようになっているでしょう。
ただ、私自身はこういった情報に触れるたびに、思い出してしまう言葉があります。
それはルドルフ・シュタイナーの次の言葉です。
人々は、物質主義の中で非常に賢くなるかもしれない。
しかし、意識(魂)を自らの内に育てることは出来なくなるだろう。
生活も、仕事も、思想も、学びも、
そのほとんどをAIにやってもらって生きる・・・
それはとても便利で、超未来的で、おしゃれかもしれません。
しかし、それで人間は、1つの存在として進歩して行けるのでしょうか?
人類として科学(の一方的)の成長だけで大丈夫でしょうか?
今回紹介した未来社会が訪れる前に、
人間として考えておかなければならない事だと痛切に思います。
シュタイナーの言葉はもう1行だけ続きます。
それを最後にご紹介して、締めとさせていただきます。
人々は、物質主義の中で非常に賢くなるかもしれない。
しかし、意識(魂)を自らの内に育てることは出来なくなるだろう。
それこそが、物質主義に基づく権力者たちが達成したいゴールなのだ。