みなさんは虫歯になったりはしていませんか?
日本人の成人の9割以上が虫歯経験があり、またそのうちの3割は虫歯を放置しているというデータがあるそうです(厚労省調査)。
(放置というか正確には歯医者に行っていない、ということなのでしょうが)
日本人は勤勉で真面目な人が多いですし、毎日歯を磨いている、という人は非常に多いでしょう。
しかし、それでも9割以上の人が虫歯になってしまいます。
様々な成分の入った歯磨き粉や、フッ素塗布や、キシリトールなど、
虫歯予防に効果がある、と言われるものはたくさんあり、それを利用している人も多数いるのでしょうが、
実際は虫歯になってしまう人がほとんどなのです。
本当に歯磨き粉やフッ素は虫歯予防に効果はあるのでしょうか?
虫歯の本当の原因とは何なのでしょうか?
歯の健康について考えてみます。
今はどうか詳しくは解りませんが、一時期、
「一度虫歯になると(歯科医が)治療しないと治らない」
などと言われていることがありました(これを信じている人もいるでしょう)
しかし、実際には虫歯罹患後であっても、自然と治癒することは多々報告されています。
というか今はほとんどの歯科医がそれを認めていることでしょう。
初期の段階であれば、自然治癒してしまうことは珍しくなく、
決して治療しなければ治らない、ということはないのです。
これを歯の再石灰化、といいます。
もっとも、ある程度以上進行してしまえば自然治癒する可能性はほぼなくなってしまうのでしょうが・・・
そんな風に歯についての一般常識と、現実は乖離を見せている場合もあります。
歯科医の長尾周格氏が著した「歯医者が虫歯を作ってる」という本には、そんな常識を覆す内容が載っています。
「歯磨きは虫歯の予防にはならない」
「フッ素の虫歯予防効果は科学的根拠はない(フッ素は猛毒)」
「マウスウォッシュも虫歯予防などの効果はない」
といった主張がなされています。
なぜなら、これだけ歯磨きの習慣が叫ばれ浸透し、
フッ素塗布やフッ素入り歯磨き粉が増えており、
人によってはマウスウォッシュで口腔内洗浄までしているのに、
日本人の95%は虫歯になっているのだから、
それらに効果はない、ということだそうです。
ちなみに、私自身はフッ素には虫歯予防効果があると考えています。
なぜなら、フッ素は毒物なので、殺菌作用があると考えられるからです。虫歯の菌であるミュータンス菌などに効果があるのは不思議なことではないと思います。しかし、フッ素が猛毒であるという点に関しては全く同意します。
※フッ素に関してはアーカイブ「虫歯とフッ素の関係」をご覧ください。
さて、ではどうすれば虫歯予防が出来るのでしょう?
それを探るにはまず虫歯の原因を突き止める必要があります。
虫歯の原因菌(虫歯菌)は医学的には”う蝕原性細菌”と呼ばれます。
う蝕原性細菌はミュータンス菌や乳酸菌などのことを指しますが、これらは決して特殊な菌ではないと言います。
これらの細菌は自然界に幅広く存在し、ほとんどの人の口の中にも存在しています。常在菌ともいわれます。
つまり、口の中に虫歯菌がいる=虫歯になる、というわけではないのです。
では何が要因で虫歯になってしまうのか?
多くの研究で明らかになり、誰もが知っているその理由が
「糖質」です。
糖質の中でも特に砂糖や異性化糖のような甘味が極めて強いものは、非常に虫歯を作りやすくなります。
なぜ虫歯になりやすくなるかというと、
糖をとることによって体内で作られる酸が脱灰(カルシウムを排出)を起こし、歯の再石灰化を阻害してしまう(初期の虫歯が治らなくなる)からです。
現代人の食生活には砂糖や異性化糖のような甘味の強い添加物を摂取することはとても多いのが実情。
お菓子は当然として、売られているお惣菜や調味料、出来合いのお弁当やパン類、飲み物、サラダでもドレッシングなど、ほとんどの物に砂糖、または、甘味を付ける添加物が使われています。
現代人が明らかに砂糖などの糖質を採り過ぎなのは糖尿病患者が増えていることをみても分かります。
自分で注意しない限り砂糖は必要量以上に採り過ぎてしまうのが現代であり、それを防ぐのはあくまで自分(の意志)なのです。
上記に歯磨きは虫歯予防に効果はない、と書きましたが、歯を磨くことによって隙間などの食べ残しを掃除することによって虫歯になりにくくなるとは思います。
しかしながら、それが決定的に虫歯を予防することにはならない、ということです。
砂糖や甘味添加物を摂らない、砂糖断ちする。
それこそが虫歯の原因を根絶する最短の方法なのです。
また、歯磨き粉にも気を付けた方が良いでしょう。
歯をキレイにする、という建前で使われている成分には問題のあるものが多数見受けられるからです。
その代表的なものがフッ素。
再三言いますがこれは毒物です。フッ素中毒の過程で歯が白くなる(フッ素中毒の症状)ことはありますが、それは健康的なものではありません。詳しくは「虫歯とフッ素の関係」に書いてありますが、とてもおススメできるものではありません。
もう1つ大きなものがラリウル硫酸ナトリウムなどの高級アルコール系です。
これらは洗剤などに使われている合成界面活性剤と同様のもの。
界面活性剤の分子は、タンパク質と結合し細胞組織を破壊していきます。
その化学反応が口の中で行われるわけです。
日本消費者連盟も次のように注意喚起しています。
「水道水の陰イオン界面活性剤の水質基準が0.2ppmということを考えると、口の中で高濃度になって危険です。味蕾(食べ物の味を感じる細胞)に悪影響を与える恐れもあると言われています。」(消費者リポート)
水道水の界面活性剤の基準値が0.2ppm
市販の歯磨き粉の界面活性剤含有量が約20000ppm
もちろん、使う量や使い方にもよりますが、
日本消費者連盟が指摘するくらいですから、普通に使っていては問題のある量が直接口の中に入っていることは間違いないでしょう。
また政府もPRTR法(化学物質管理促進法)の中で、このラリウル硫酸ナトリウムなどを「人の健康や環境に有害な恐れのある物質」として指定しています。
つまり合成界面活性剤が使われている歯磨き粉は、政府お墨付きの毒物ということになります。
しかし、もちろん、これだけの毒物を口の中でかき混ぜれば、多くの菌がダメージを受けることになるでしょう。
結果として虫歯が減る可能性もあります。
それでも日本人の9割以上が虫歯になっているという明確なデータがあるのであくまでも可能性がある、ということに留めておきます。
以上のことをまとめますと、
①虫歯の本当の原因は砂糖や甘味添加物の摂り過ぎである
②フッ素や歯磨き粉は(虫歯予防に対しては)不必要なものである可能性がある
③市販の歯磨き粉は注意が必要である。原材料をよく確認しよう
虫歯の予防・治療には
砂糖や甘味添加物を摂らないことがもっとも効果的である可能性がある
ということが言えるでしょう。
もちろん、ここの体質によっても変わってくると思いますが、情報として持っていても損のないことかと思います。
最後に、歯磨き粉メーカーが推奨する1回あたりの歯磨き粉の使用量をご紹介します。
よくCMなどでは、ハブラシの半分くらいにウニュっと出していますが、あれは明らかに使い過ぎなんです。
メーカーのいう適正使用量は「マッチの頭」だそうです。
うーん、この情報が広まったら、歯磨き粉は在庫の山になりそうですね!
参考文献
「歯医者が虫歯を作ってる」(長尾周格氏)