10月16日の朝日新聞において、福島原発の処理水(汚染水)を海洋放出することで政府は調整していることが報道されました。これに対して韓国政府は汚染水の海洋放出を公式に反対を表明。また国内でも全国漁業協同組合連合会(全漁連)が「国民の理解を得られない放出には絶対反対」として経済産業省に正式に反対を申し出ています。
政府は「法令の放出基準より低くして排出する」としていますが、本当に問題はないのでしょうか?また他に方法はないのか?少し調べてみようと思います
前述の朝日新聞の記事を引用します
福島第一原発では、溶け落ちた核燃料を冷やした水に原子炉建屋に流入した地下水などが混ざり、汚染水が発生。いまも1日に約140トン増えている。東電はこれを多核種除去設備(ALPS)などで処理してタンクに保管しており、すでに約120万トンたまっている。東電は、現在のタンク増設計画では2022年夏ごろに満杯になるとしている。処分に必要な設備の工事や原子力規制委員会の審査に2年程度かかるとされ、今夏ごろが判断の期限とみられていた。
記事にあるように、稼働中のタンク900個はそう遠くない将来満杯になり、廃棄せざるを得ないのは事実のようです。
処分方法については、「地層注入」、「水素放出」、「地下埋設」、「水蒸気放出」、「海洋放出」の5つの方法が提案されていました。
話が進むと「水蒸気放出」か、「海洋放出」しかないということになり、最終的には前例のある海洋放出ということになりそうなのです。
そこで問題とされているのが「放射性元素トリチウム」。
経済産業省エネルギー庁や東電の説明では汚染水の安全性を強調しています。
「トリチウムの半減期は12年であり水に含まれた状態であるため、海洋生物の体内からは十数日で排出される。生物の体内に留まることはないので、生物濃縮は起こらずに安全である。」(東京電力)
現在の研究では、水の状態のトリチウムが生物濃縮を起こすことは確認されていません。(経済産業省)
人間や魚、自然界に影響がないのであれば何ら問題はありません。・・・が・・・
不安を煽りたいわけではありませんが、データとは都合の良い部分だけを切り取って使われたり、御用学者と呼ばれる権力者側に有利なデータを出す仕事の方もいらっしゃいます。
反対の意見も見て、総合的に判断したいものです。
まず見なくてはならないのが、汚染水の中に有機炭素が見つかったことです。
これは「有機結合型トリチウム(OBT)」のことで、これを生物が取り込むと筋肉など身体の一部になってしまうのです。つまりトリチウム安全説の前提である「水の状態」ではないことが解ってしまったのです。
この「有機結合型トリチウム(OBT)」の状態になると体内から排出されるのには約1年かかると言われており、生物濃縮はほぼ確実に起こることが考えられます。
実際、経済産業省もこの事実から「OBTの健康影響をトリチウム水と比較すると2~5倍程度」と認めています。これも御用学者などを起用した控えめな数字であることを勘案すると、特に子供のいる家庭においては、平然と無視するのは難しくなってきます。
トリチウムを分解する技術自体はすでにあり(アメリカでは分解した研究結果がある)、コスト面や時間面からそれらは考えていないということですが、そのために犠牲になるものがあるのではないでしょうか
ちなみに自然界(海水)にもトリチウムは含まれています。
それを持って安全かというとそうでもなく、汚染水のトリチウム濃度は自然界の約100万倍。韓国の反対は置いておくとしても、日本国民の健康を守ることや漁業関係者の利益を蔑ろにすることが国益に反することなのは間違いありません
とはいえ、増え続ける汚染水をどうにかしないわけにはいきません。
しかし、実際行えそうな(処理できそうな)方法というと、現状では先に挙げた5つの方法しかなく、結局水蒸気放出か海洋放出になってしまいます。
従って、現状ではタンクを増やし、そこに貯め、放射性物質を減らす・無くす技術を開発することが必要にると思います。
その際の費用は電力会社が負担すべきです。総括原価方式を使って電気料金をあげるのは本当にやめていただきたい。こんなルールがあるから電気会社は何やっても良いということになってしまうのだから
注:「総括原価方式」・・・かんたんにいうと、電気会社がかかった費用を電気料金に上乗せして利益を確保しても良いという法律のこと
でも、技術の開発なんてそんなのいつになるか解らないし、無理じゃないか!という方もおられるでしょうが、私が知っている範囲でも2,3個くらいは放射性物質を除去できる方法があります。
※具体的には解らない部分があるので詳細は割愛します
都市伝説やスピリチュアルな話ではなく、放射性物質を除去できる方法は実際にはすでに色々と解っているようです。ただ「放射能除去利権」もあり、それらは表に出てこないのがようです。
※例えばEM菌でもある程度放射性物質を除去できるとのことです。
これらの技術をキチンと認めて使っていけば、社会は大きく変わっていくのでしょうが・・・
環境省が先日、汚染土だけで野菜を育てる方針を明らかにしています。
収穫後、専門家による会議で安全だと評価されれば、汚染土を使った栽培を進める方針だそうです。
※ちなみに8000ベクレル以下の汚染土はすでに道路などの公共事業に使われている
※3・11以前は100ベクレル以上は使用できない法律だった
汚染土を使った野菜
汚染水を流された海の海産物
それらの安全を評価するのは政府からお金をもらった専門家や、電力会社から援助を受ける研究施設。
みなさんはどのようにお考えでしょう?
事故(事件)から間もなく10年が経とうとしています。
しかし、これを風化させるにはまだまだ早いでしょう。
格差が拡大しつつあるのは金銭面だけでなく、健康面もそうなのです。
情報を得て、調べて、どうするべきなのか是非考えてみてください