社会信用スコアとは 庶民は管理され、点数を付けられるのか!? LINEスコアも同じ仕組み

中国ではすでに始まっている社会信用スコア。
日本でもサービス展開が検討されており、LINEでもLINE score(ラインスコア)が既に行われており、利用されている方もいらっしゃるかと思います。
この社会信用スコアはどういったものなのか?個人情報は大丈夫なのか?
まとめてみましたので、ぜひ周りのお友達などに教えてあげてください
※厳密に言うと「社会信用スコア」、「信用スコア」、「個人信用スコア」とありますが大きくは変わらないので当ブログでは社会信用スコアに統一します

 

 

社会信用スコアとは 管理・監視するための道具なのか!?

社会信用スコアとは、一言でいえば「人間の格付け」です。
少し偉そうに言えば「どのくらい契約を確実に履行し、債務を返済するか、道徳的に正しいとされる行動をするかといった要素を可視化し、一定の数値として示すシステム」、ということになります。
中国ではすでに一部地域に実装されており、その人の資産、寄付歴、犯罪歴、学歴、借金などで点数が付けられ、点数が低い人は高速道路や飛行機などのインフラが使用できなくなっています。反対に点数の高い人には優遇措置が与えられたりします。

日本でも社会信用スコアは徐々に始まっています。
身近な所でいえばやはりLINE Score(ラインスコア)でしょうか。
簡単な質問に答えるだけでスコア(点数)が出て、それに応じてサービスが受けられる仕組みです。もちろん、これもスコアが高いと特典が色々あるようです。

他にも、ネットオークションなどでも良い、悪いの評価。SNSでもいいね!などがあり、人が人を評価するシステムは非常に増えているといえるでしょう。
その全てが社会信用スコアに繋がっているわけではないでしょうが、ネット上の数字である以上、いつでも特定の会社や国は活用することができるのも事実です。

ネット上での付き合いが増えるのは流れであり、(見えない)相手が信用できる存在かどうかを知るため、このようなシステムも必要になってくるというのも確かでしょう。

 

 

なぜ社会信用スコアは必要なのか?

さて、では一体なぜ社会信用スコアは必要なのでしょう?
その理由を慶應義塾大学・大屋教授の「個人信用スコアの社会的意義」という論文から取り出してみます。

スコアを上昇されるために必要となる行動のヒント――たとえば「水道や電気
など公共料金の支払いを遅れずにしよう」「電子マネーやオンラインバンキングで経済活動を記録しよう」「他人を支援することで公益を実現しよう」といったものが示され、個々人を「道徳的」な行為へと動機付けるようになっている。

契約に内在するリスクの多寡に応じてその取扱い――典型的には保険料率や利子率――が変わるというのは経済的に合理的な制度であり、我々の契約制度も基本的にはそれ
を肯定している。

我々は、このようなシステムが他者を裏切るつもりのない善良な個人に快適な生
活をもたらすだろうことを、正面から認める必要があるだろう。すでに指摘したとおり、他者に対する信頼が制度化されていない中国社会においては、他人は信用できないという状態がデフォルトとなり、悪意のない個人であってもそれを証立てるための膨大な負担を背負わされるのであった。このような状況も、個人の信用に対応した待遇が保障されていないという意味において不当なもの、差異に応じた扱いがなされていないという意味では、正義に反する差別的なものに他ならない

大学教授の論文て、どうしてこうもかしこまった難しい書き方するんでしょうねぇ(笑)

解りにくいのでまとめますと、
✅社会信用スコアがあることによって「道徳を守ろう」という気持ちが芽生える
✅金や権力を持っている人に有利に働くのは現在、日頃から行われている契約でも既にそうである
✅信用度が数字になることで、正義を可視化できて実行できる
ということです。
特に犯罪の抑止力になる可能性は高いというのは事実なのではないでしょうか?治安維持に寄与するという意味では効果的なものかと思われます

 

 

社会信用スコアの問題点

次に問題点を見ていきましょう
大きく分けると次の2つに集約されそうです
✅極端な監視社会の到来
✅格差の拡大

ではもう少し詳しく見ていきましょう
●極端な監視社会
社会信用スコアが運用されることによって、人々は常に点数を付けられることになります。常に何らかのデータ(個人情報)を見られる(行政や大企業に)という事になります。資産・借金・犯罪歴・学歴・納税額・社会的地位これらは当然として、お金の使い方や人間関係まで確認されるのは想像に難くありません。もちろん、ネット上での発言なども確認する気になれば出来るようになるでしょう(というか現在でもやろうと思えばできる)。
これはマイナンバーや顔認証システム(その為のソーシャルディスタンス)などと組み合わせれば、誰がどこにいようと調べることが出来るようになります。
政府にとって、都合の悪い動きをする集まりなんか、あっという間に一網打尽にできます。
国家という独占的な存在がビッグデータを管理し、点数をつけ、良い悪いを判断する。
中国がこのシステムをすでに運用していることからも、とても社会主義的な感じがします。
※社会主義・共産主義についてはこちらの記事(共産主義とは!?)をどうぞ
つまり、何が正義・良いことで、何が悪・悪いことなのかを、国が決めてしまうということになります。

●格差の拡大
上記のことを踏まえて考えると、格差の拡大が鮮明になります。
個人情報は全て握られている、良いこと、悪いことは決められている、それに対して点数を付けられ場合によっては社会的な不利を受ける。
権力者が自らの地位や利権を守るのにこんなに便利な制度はないでしょう。
当然、格差が縮まる理由がどこにもありません。
庶民は管理・監視して、自らは好き勝手に出来る・・・もちろん、言葉通りにかんたんになるわけではないでしょうが、大雑把に言ってしまえばそのような、決して下剋上の起こらない半永久的なヒエラルキー(階級制度)が出来上がってしまうことになります。
極端な話をしますと、この社会信用システムにベーシックインカムを足し、職業の供与、国家による教育の統一そしてそれらすべてを補完するスマートシティなどが行われれば見事に人間牧場の完成、ということになります。絶対に出ることが出来ない階級という檻の中でやって良い事と悪いことを決められ、どういう風に生きるべきか、何をして生きるのかを決められてしまう・・・何も考えなくても生きて行けそうですね!

 

どのように生きるべきか?

最後に社会信用システムの良い点と悪い点をまとめてみましょう
☆良い点
・道徳を守ろうという気持ちが生まれやすくなる
・犯罪の抑止力になる
・数字で可視化出来るため、判断が容易になる
・信用度により格差があるのは現状でも同じであるため、大きな混乱はなさそうだ

☆悪い点
・極端な監視社会の可能性
・格差の拡大を止められなくなる
・個人情報が権力者に全て渡る
・自由がなくなる可能性も

 

さあ、あなたはどちらを選びますか?

 

showma

健康に楽しく暮らしていきたい。子供たちに明るい未来を用意しておきたい。そんな気持ちが親を動かします