「牛乳は身体に良い」
と思っている人は多いのではないでしょうか?
学校の給食でも毎日出されていますし、カルシウムも豊富だし、そりゃ良いに決まっているでしょ、という人もいるでしょうね
しかし、
「実は牛乳はあまり身体に良くない」
という人がけっこういるのも事実です。
さて、本当はどうなのでしょうか?
色々と調べてみましたので一緒に見ていきましょう
まずは牛乳の良い点とされる点、悪いとされる点を合わせてみてみようと思います。
良いとされる点
・カルシウムが豊富
・ビタミン、ミネラル、タンパク質などがバランス良く含まれている
・免疫力を高める
・血圧改善
・栄養素が豊富な割にカロリーが低い
・消化も良い
悪いとされる点
・カルシウムも多い訳でなく、吸収も悪い
・ホルモンバランスを崩す
・ガンや糖尿病、また骨や血管に関わる様々な疾病の原因になる
・そもそも日本人には牛乳が合わない(乳糖不耐症)
・アレルギーを誘発
ざっくりあげると以上の事のようです。
まとめますと、
これらを見ていけば牛乳の本当の姿が見えてきそうです
牛乳のカルシウム含有量は1L当たり1200mgほどと言われています。
大豆や小松菜などもカルシウムの多い食品ですが、それにも引けをとらないほど含まれていると言っていいでしょう。
さて、問題はここからでカルシウムが多ければそれで良い、ではカルシウムのビタミン剤の方が良い物という事になってしまいます。
カルシウムを効率よく吸収するためには、マグネシウムが必須です。
それどころか、マグネシウムが不足した状態でカルシウムを摂取すると血管や心臓にダメージを与えることが分かっています。
諸説ありますが、理想はカルシウムとマグネシウムの比率1:1のようです。
(カルシウムとマグネシウムの錠剤はよく売られていますが2:1が殆どです)
つまり、カルシウムとはマグネシウムと密接な関係があり、カルシウムだけでどうのこうのは言えない、ということです。
注:昨今の人(少なくとも日本人)はカルシウムの摂り過ぎであるとも言われています。前述のとおり、カルシウムの摂り過ぎは悪影響が心配されます。そして同時にマグネシウムの摂取不足も同時に考えられます。マグネシウムは必須ミネラルであり、摂り過ぎてもあまり問題のないミネラルであり、身体に非常に重要なものです。マグネシウムについては回を改めてご紹介します
もちろん、カルシウム自体は必須ミネラルなので摂取する必要があります。
しかし、同時にマグネシウムも摂らなくては逆に悪い影響を与えるという事です。(この辺りが牛乳は身体に悪い説の言い分なのかもしれません)
ともかく、現代日本で普通に食事をしていてカルシウムが不足するというのはよっぽど偏った食事をしている場合のみでしょう。
つまり、牛乳のカルシウム云々だけでは
牛乳が身体に良い物か悪いものかを判断するのは無理だ、ということになります。
牛乳を飲んだり乳製品を食べたりすると、お腹がゴロゴロ鳴ったり、すぐに下痢になってしまう人がいます。
これはいわゆる「乳糖不耐症」(正確に言うとラクターゼ欠乏症)と呼ばれるもので、簡単に言うと、牛乳の大部分を占める乳糖という糖分を体内で分解できないという体質のことです。
日本人は実に約8割もの人がこの「乳糖不耐症」に当たるとされています(パーセンテージは諸説あり)
欧米の人たちは日本人に比べるとその割合は低いとされています。
とは言え、哺乳類はそもそも幼児期にはミルク(母乳)を中心に育ちます。
つまり、もともとは乳糖を消化する酵素を持っており、成長が進むにしたがって多くの人がその酵素の働きが弱くなっていく、というのが事実です。
伝統的に牧畜を営んできた北方ヨーロッパや米国の人でさえ、牛乳を普通に飲めるようになったのはごく最近であるとも言われています。
要するに、
牛乳を飲むこと自体、実は近代になってからであり、牛乳が苦手というのは哺乳類として決して珍しい事ではない、という事です。
ちなみに消化に絞って言いますと、乳糖不耐症だからと言って、摂取した牛乳の栄養素を全く吸収できないわけではないそうです(ただ吸収率が良い訳でもない)
牛乳を飲むことによって得られるとされるメリットは、
・身長が伸びやすくなる
・骨が強くなる
などが多くの人が聞いたことのあるメリットだと思います。
身長が伸びるかどうかについては、
文部科学省が行っている「学校保健統計調査報告書」を見てみましょう。
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/1268826.htm
↑文科省
1950年の小学1年生(男子)の平均身長は
108.6cmでした。
以降、本格的に給食での牛乳や粉ミルクが徐々に普及していきます。
そして、2005年には小学1年生(男子)の平均身長は
116.6cmになっています。
⇒実に8cmも伸びています。女子も同様に平均が8cm伸びているのが読み取れます。
しかし、これだけで判断は出来ないようです。
と、言うのも、
1950年はまだ終戦から僅か5年であり、食糧事情が決して豊かだったとは言えないからです。
更にこのデータを読み進めていくと、次のことが分かってきます。
1950年頃の13歳の平均は約141cm
2005年頃の13歳は平均が約160cm
ここまでは先ほどのデータと合致(背が大きくなっている)しますが、
その後の13歳から17歳までの身長の増加を見てみると、
1950年(13~17歳の間で)20.6cm
2005年は10.9cm
という結果が出ています。
以上のデータから読み取れることは、
食糧事情が大きく改善していることも勘案し、
牛乳が身体に及ぼす影響は、身体の早熟化であり、
身長への影響は限定的に留まる、ということです。
次に病気との関係を見ていきましょう
実は牛乳が病気を呼ぶ、という話は探せばうじゃうじゃ出てきます。
イギリスの学者ジェイン・プラトンは自身が乳がんを患った際、自分が乳製品を好んで摂っていることに着目し、乳製品を一切摂らない食事法を実践します。
結果、通常では再発や転移を繰り返す進行性の乳がんを克服することに成功しています。
さらにその自身の体験をもとに乳製品が乳がんの原因になり得るという研究結果を発表したところイギリス政府から高く評価された、ということがあります。
また、牛乳は高たんぱく食品としても知られていますが、アメリカの骨・ミネラル学会では、タンパク質の多量の摂取がカルシウムの喪失を促すことを認めています(最近よく見る低脂肪乳はより高たんぱくになる)
タンパク質も身体には当然必要な栄養素なのですが、
摂り過ぎはやはりいけません。
※そもそもタンパク質の摂取を奨励しているのは現代栄養学の元になっているフォイト栄養学です。以前、このブログでも紹介しましたが、フォイト栄養学は問題が多いようです
また、小児ぜんそくや慢性湿疹などは異質のたんぱく質を摂りすぎることによるアレルギー反応であることが疑われており、注意が必要のようです。
以上、牛乳について色々と見てきましたが、
どうもあまり身体に必要だとは取れませんでした。
むしろ体質によっては避けた方が無難だとも思います。
カルシウムは必須ミネラルであり、身体に大事なものですが、
牛乳でなくとも充分に摂取できます。
しかし、ここからは私個人の感想が入るのですが、
本当に問題なのは、牛との付き合い方なのではないでしょうか?
私は乳牛生産者と話をしたことがありますが、
現代の乳牛の多くは、お乳(牛乳)を多く出すために品種改良されており、お乳を出すため、1年中妊娠させられており、管理の為角や尻尾は切り落とされ、(多くの牛がずっと牛舎に繋がれているので)病気にならないように抗生物質入りのエサを食べさせられているそうです。
そして、お乳が出無くなれば、屠殺(牛肉に)されます。
正直、書いているだけでも気持ちが悪くなるくらいですが、
それが安価に牛乳を、そして牛肉を提供するための現代のシステムなのです。
そして、それらの牛乳や牛肉が、本当に身体に良い物でしょうか?
幸せな環境で育てられた牛であれば、
そのお乳であれ、肉であれ、もっともっと良い物のような気がします。
(少なくとも、抗生物質が検出されるようなことは無い)
私は別に動物愛護の団体とは何も関係ありませんが、上記の事実を知った時は純粋に可哀想だとも思いました。
(私自身は昔から牛乳の臭いが苦手で極力避けてきました)
この記事で、牛乳を飲むなとか言うつもりはありません。
ただ、事実を知って、色々考えてみたいな、とは思います。
自分の身体の為にも、子どもたちの未来の為にも
みなさんはどう思われましたでしょうか??・・・・