日本の「おもてなし」の心を知ろう! 本当のおもてなしは、互いを幸せにする

日本の素晴らしい文化の1つに「おもてなし」というものがあります。
日本の接客は他の国と比べて非常に質が高いことで知られていますが、その基になっているのがこの「おもてなし」の心だと言えます。

しかし、日本でも資本主義社会のルールややり方が浸透してきて、本当の意味のおもてなしが失われつつあります。
お金のための1つの道具として扱われ、その中身は問われなくなってきてしまっているのです。

本当のおもてなしとはどういうことなのか?

もう一度おもてなしの心を確認し、日本の素晴らしい文化を継承していくのは、より良い社会を作るためには重要なことです。
おもてなしの心を思い出してみましょう。

 

 

日本の「おもてなし」の心を知ろう! 本当のおもてなしは、互いを幸せにする

おもてなし、というと非常に質の良い接客を思い浮かべます。
言葉遣いが丁寧であったり、仕事をしっかりこなしているイメージです。

ただ、このおもてなしのイメージだけが独り歩きして、
様々な現場で形だけ導入されている、という感じもします。

言葉遣いだけは出来ているが、心が一切こもっていなかったり、
仕事上でお客さんに対してミスをしても決して認めなかったり、
お金をもらうまでだけいい顔をしていたり・・・

 

現代の商売の基本がとにかく「表面上(見た目)を良くする」ということに特化されているともいえる現在、ある意味必然のビジネススタイルなのかもしれません。
※これらはステルス値上げ(お値段据え置きで量を減らすなどの行為)が横行していることからも読み取れます

しかし、それは文化ではなくただのビジネス(金儲け)です。
本当に心ある人と人との繋がりではありません。

 

今一度、おもてなしについて振り返ると、どんな意味が隠されているのでしょう?

 

 

 

おもてなし、その意味

おもてなしの語源を見てみますと
①モノを持って成し遂げる
②裏表なし
が基になっています。

モノを持って成し遂げる、の”持って”は、ここでは”意識して”という意味だそうです。
つまり、人が気持ちを持って何かをすることを意味しています。

裏表なしは解りやすいですね。お金を儲けるための表面的なものではなく、裏表のない心からの行為であることを示しています。

 

別の言い方をすれば和合、ということ。
これを目指した文化の1つに茶道があります。

茶道は、1つの空間の中で最高のおもてなしをするもの
しかし、それはお互いの心が和合しなければ絶対に出来ない事でもあります。

迎える側だけが準備をして心を尽くせば良い訳ではありません。
お茶をいただく方(お客側)も、和合の心を持たなければ最高の場は成立しないのです。

つまりお互いが心を尽くすこと
それがおもてなしの基本にして最高の形といえるでしょう

 

 

利休七則

茶道の開祖といわれる千利休は、おもてなしを行うために茶道の七則というものを残しています。

茶道のみならず、ビジネスでも、プライベートの人間関係でもきっと役に立つものなのでご紹介させていただきます。

【利休七則】

茶は服のよきように点て

炭は湯の沸くように置き

夏は涼しく冬暖かに

花は野にあるように活け

刻限は早めに

降らずとも雨の用意

相客に心せよ

 

この7つ(7段)が七則ですが、
これだけですと茶道の心得にしか見えないかもしれません。

もう少しかみ砕いて解説してみます。

①茶は服のよきように点て
=相手の状況や考えをよく考えて

②炭は湯の沸くように置き
=準備は怠らずしっかりと行い

③夏は涼しく冬暖かに
=相手が快くなるように

④花は野にあるように活け
=飾りすぎず、シンプルに

⑤刻限は早めに
=相手を待たせたりしないよう

⑥降らずとも雨の用意
=段取りをしっかりと万全に

⑦相客に心せよ
=相手の気持ちになって行おう

 

このように、
基本的でありながらとても重要な事がまとめられています。

そして大切なのは、
招かれる側(お客側)もこのような気持ちを持つことが大切だと説かれているところです。

和合・おもてなしは片一方の気持ちだけでは完成しないのです。
また、相手にだけ求めるのは失礼とも言えますし人間のレベルとしても高いとはいえないでしょう。

 

 

おもてなしの心は現代に必要

おもてなしを現代風に言い換えると、
気配り・目配り・心配り、と表現することも出来ます。

常に相手に気を配り、何か不足はないは目をやり、寛げるように心を尽くす。
分かっていてもそれらを全て行うのは難しいですが、始めから完璧にやろうとする必要などありません。

おもてなしの心を常に頭に置いておけば段々と出来るようになってくるものです。

 

そして、これらはビジネスに活用することを考えてしまいがちですが、
日々の人間関係にもとても重要です。

身近な友達や恋人、家族などにおもてなしの心を持って接することがお互いにできたらどんなに素晴らしいでしょう。
もちろん、お互いに、ですがそれを相手に求めると話が狂っちゃいますね。

まずは自分から。
大丈夫。時間がかかる場合もありますが、心というものは必ず通じるものです。

まぁシビアに言えばほとんど通じない人も稀にいますが・・・(笑)

 

しかし、みんながおもてなしの心を忘れずにいれば、
家庭も、社会も、世界も変わることは間違いありません。
なぜなら、それこそが現代では失われ、だからこそ求められているものだからです。

 

最後におもてなしの名詞としての用例を見てみます。

①意図して計らうこと
②意識的な行為・待遇
③モノを心を持って上手に用いること
④大切な相手としてお世話をすること
⑤人柄や人格が反映される振る舞いや身のこなし、態度のこと

 

ここからも、実際の行動も大切ですが、
なによりもまず、おもてなしを心することが重要であることが解ります。

おもてなしを行えるようになれば、きっと周りのあなたを見る目も変わってくるはずです。

 

showma

健康に楽しく暮らしていきたい。子供たちに明るい未来を用意しておきたい。そんな気持ちが親を動かします