将棋好きにとって、いつかは手に入れたい・・・と思うのが良い駒と良い盤
最高の駒を使い、最高の音を聞きながら指すのは最高の瞬間ですよね
とは言っても、将棋の駒には様々な種類があります。使う木の種類もあるし、書かれている字体、そして彫り駒だとか盛り駒だとか、色々あり選ぶのも大変。今回はそんな駒選びのお手伝いをしようと思います。
将棋駒の素材(木材は)大きく分けると以下の4種類になります。
※プラスチックは今回入れていません
黄楊(つげ)
強度が高く、非常に硬い木。「黄楊」の名の通り、黄色が特徴的な木材。 非常にきめ細かく、塗装などを施さなくてもとても肌触りが良いのが特徴。使い込んだり、磨けば磨くほどに艶が出ると言われており、頻繁に使う事で新品にはない重厚さと風格がでます。
黄楊の中にも、もっとも珍重される伊豆七島の御蔵島産「通称・島ツゲ」、その他の国産黄楊は一般的には「本ツゲ」と呼ばれます。
現在は東南アジアなどから輸入した「シャムツゲ」が多い(値段も安い)
榧(かや)
囲碁や将棋の盤、あるいは駒としては最高級のものと言われているのが榧製です。
といっても榧は盤として使われることがほとんどで、駒の素材として利用されることは非常に稀です。ほんのりと黄色みがかった色合いがとても美しく、黄楊と比べると柔らかで軽いのが特徴です。気高さの中にも優しさのこもる指し味だそうです。
楓(かえで)
黄色っぽい白色のカエデも将棋駒として使われています。カエデは建築材料としても高級品で使えば使うほど味わいが増していくと言います。堅い材質で丈夫なのも様々なところで使われている理由です。赤みも感じる穏やかなイメージの木材です。
斧折樺(オノオレカンバ)
淡い黄白色が美しいオノオレカンバ(別名ダケカンバ)。その字の通り、斧が折れるほど堅いのが特徴。将棋の駒として使われ始めたのは意外と最近のことらしい。堅さや色合いが将棋駒に合っており、黄楊や榧より素材が安価なのが理由だと思われます。
押駒(おしこま)
駒木地に字をプレスして書きつけてある駒のこと。つまり量産型の駒です。別名・スタンプ駒。もっとも安価
漆書き(うるしがき)
漆で駒木地に直接、字を書いたもの。一般的に楷書体と草書体と2種類ある
彫り駒(ほりごま)
機械彫りと手彫りのものがある。もちろん、手彫りの方が高価。そして彫りの中でも画数や字体・書体などにより黒彫り、並彫り、中彫り、上彫りとランクがある。
※書体に関しては後述
彫埋駒(ほりうめごま)
彫った駒に下地漆を調合し、乾燥させて数回にわたって下地漆を入れ、駒木地と平らになるように文字を入れたもの。滑らかな見た目で輝きが非常に美しい。手触りもとても良い高級品。
盛上げ駒(もりあげごま)
彫埋め駒に、蒔絵筆を使い文字を漆で浮きだたせ、入念に磨いたもの。技術的にも大変難しく、手作業でないと出来ない。盛上駒職人は全国的にも大変希少。見た目の美しさも手触りも満足しかない将棋駒の最高級品。将棋のタイトル戦でもこちらが使われています。
実は将棋駒の書体には20種類以上の書体があります。
人気があり有名なのは
の3つです。
特に巻菱湖はプロ棋士の間でも人気があり、細身で流麗な文字が見やすく、駒の美しさを引き立てているのが要因です。
ちなみに書体を列挙すると、
巻菱湖、水無瀬、源兵衛清安、鵞堂、長禄、錦旗、淇州、峰書、清安、宗歩好、一字彫、清定、王義之、董仙、草書、三邨、無剣、金竜、三田玉枝、篆書、昇竜、坂田好・・・
などなどあります。
※青いところはクリックして写真が見れます
上記のように、
・木の種類
・書き方(彫り方)
・書体
これらの組み合わせを考えるとかなりの種類が駒にはあります。
また、独自に自分好みの組み合わせを考えても実際にそれが販売されているかは解りませんし、オーダーメイドでは価格がかなり高価になってしまいます。
こうした数ある中から、見た目、手触り、音などと、人の意見や感想を聞いたり価格を考えたうえで私なりのオススメは以下になります。
新潟県在住の大竹竹風氏の作品で、羽生九段が好む駒として知られています。
見た目の美しさはご覧の通りです
✅彫り駒 ✅島黄楊 ✅淇州書体
同じく竹風の作。錦旗の書体で木目が柾目になっている上品な駒。鑑賞にも耐えうるほどの美しさがあります。
✅彫り駒 ✅島黄楊 ✅錦旗書体 ✅柾目
作者の良尊氏は水無瀬の研究家でもある駒作家です。気品の感じる駒と書体がまるで輝いているように見せてくれます。箱も素晴らしい
✅島黄楊 ✅彫り駒 ✅水無瀬書体
島黄楊の素材に源兵衛清安の書体を最高級の盛上げ駒として作られた品。パッと見でオーラを感じるほどです。飾りたいほど美しい
✅島黄楊 ✅源兵衛清安書体 ✅盛上げ駒 ✅赤柾
写真でも分かる虎斑の珍しくも美しい木目に、プロ間でもっとも人気のある菱湖書体の盛上げ駒で書かれた駒。このクラスになるとタイトル戦でも使われます。将棋ファンなら一度は使ってみたい駒。
✅島黄楊 ✅菱湖書体 ✅盛上げ駒 ✅虎斑
ちなみに、こういった高級な将棋駒は完全手作りなので、基本的に一品物になります。
誰かが買ってしまうとなくなるので、その際はご容赦ください・・・
もちろんですが駒はピンキリというか様々なものがあります
もっと見てみたい、と言う方は将棋情報局というサイトで色々見れますのでそちらで探すのもアリだと思います
ともかくとにかく美しい将棋駒。ぜひ良いものを選んで将棋ライフを更に楽しんでください