今後予定されている社会を知ろう 人間拡張技術で、苦労しらずの世界になる!? 理想の社会の到来か

人間拡張技術、という言葉を聞いたことがありますか?

人間拡張技術(Augmented Human)は、
「人間の能力を補完して向上させる、あるいは新たに補完して能力を獲得できる技術」のことです。

もっと簡単に言ってしまえば
IotやAIなどを駆使することによって、
人間に本来できないはずの力を付与させる、というものです。

 

漫画やアニメの世界で描かれるような、人間としての能力を超えた力を手に入れることが出来るようになるものとも言えます。

これにより、私たちの社会は大きく変わっていくのでしょうか?
そしてどんな影響があるのでしょうか?

人間拡張技術をみることによって、今後の社会を推測してみたいと思います。

 

 

今後予定されている社会を知ろう 人間拡張技術で、苦労しらずの世界になる!? 理想の社会の到来か

まず人間拡張に関してもう少し詳しく見てみましょう。

人間拡張とは、前述のとおり人間の能力を飛躍的に向上させることですが、具体的には次のようなことが出来るようになります。

 

①身体能力の向上
主に言われているのは医療分野での活用です。
例えば事故や病気で足を失った人に対して、高性能な義足をつけることで健常者と何ら変わりない生活が送れるようになるというものです。
それのみならず、義足から常に身体のデータが送られ健康管理も同時に行えるため、義足自体がより身体に合った動きをするようになったり、違う問題点を早期に発見できるようになります。
もちろん、足だけでなく、手や耳や目、身体のあらゆる部分で補完的なことが出来るようになります。
高齢者に対しても、歩行の補助器(外骨格)を付けることによって山登りを楽しむことが出来るようになったりすることなどが言われています。
パワーアシストなどにより筋力の補助が出来るようになるので、高齢者でも子供でも、成人以上の力を発揮することも可能になるでしょう。

 

②頭脳の拡張
これも分かりやすい利点と言えるでしょう。
身体の中にデバイス(AIチップなど)を埋め込むことによって、人間の脳を補完するというもの。

つまりは、脳内でネットに接続することが出来るようになり、計算能力や言語能力が著しく向上するというわけです。
また、記憶の補完も出来るようになるので大幅に記憶の限界が広がります。

一応、脳情報モニタリング学習なども提唱されていますが、実際は脳内チップの下位互換と言えるものでしょう。
また、マイナス能力の制御機能もこれに含まれます。

 

③存在の拡張
遠隔地や仮想空間での活動が出来るようになることを指すのが、この存在の拡張です。

遠隔地で医療行為を施したり、あるいは仮想空間においてアバターを使って活動することになります。
アバターロボットを操作することもこれに含まれます。
これも当たり前ですがネット上で繋がっている事が大前提になります。

また、他人の身体感覚や五感を同じように感じることが出来るようになるとも言います。

身体という限界を大きく超えた活動が出来るようになることが存在の拡張というものになります。

 

④知覚の拡張
主に視覚や聴覚を拡張させることを指します。
高性能のメガネや補聴器がそれにあたります。

視力や聴力が低下している人に対して有効なのはもちろんですが、健常者に対してもより高性能な視力や聴力を得られるようになります。

この技術のポイントは「仮想と現実を融合させる」というところにあります。

具体的に言うと、仮想空間を現実と認識させることによって補完するというもの。
ARやVRの技術の発展形と言えます。

 

 

これらの要素がまとめて「人間拡張技術」と呼ばれるものになります。

 

 

 

スマートシティ計画

この人間拡張技術と切っても切り離せないのがソサエティ5.0、スマートシティ計画です。

スマートシティ計画(ムーンショット計画)に関して詳しくはアーカイブをご覧ください
ムーンショット計画とは

 

スマートシティ計画を簡単に説明すると、
ネットと現実の融合です

違う言い方をすると、仮想現実と現実の融合、ですね。

スマートシティは政府肝入りの計画でかなり細かなところまで綿密に計画されています。
内閣府などのHPでも内容を確認できます。

 

人間拡張技術は、実際に行うために絶対に必要な設備があります。
それが超高範囲・かつ高性能なネット環境。
そして各地、各個人でのデバイスです。

ネット環境に関しては、5Gを飛び越えて6Gが着々と準備されています。
デバイスに関しては、体内に埋め込むために様々な方法が提案・実行されています。

そしてこれらを総合的に取り仕切るのがムーンショット計画・・・ということでしょうね

もちろん、すべてが整うのは都会から優先的に行われるでしょうが、いずれはあまねく人々にこの状況が訪れることになるのではないでしょうか?

 

 

 

人間拡張技術に関して

さて、人間拡張技術に関して補足しましょう。

この技術は大別して4つ
①身体の拡大
②頭脳の拡大
③存在の拡大
④知覚の拡大

があることを書きましたが、これらを組み合わせることによってよりすごいことが出来るようになります。

 

例えばピアノ。
ピアノを上手に弾けるようになるにはかなりの練習が必要になると言います。
きれいに弾けるようになりたいな・・・とは思いながらなかなか練習する時間が取れない人も多いことでしょう。

しかし、この人間拡張技術を使えば、
まったくピアノに触れたことのない人であっても、上級者同様の演奏が出来るようになるのです。

ピアノのプロが引いた演奏を情報として取得すれば、身体につけた補助機械・あるいはデバイスによって、
同じようにピアノを弾けるようになるのです。

 

これは調理に関しても同様のことが言えますし、非常に多くの場面・業種で流用できるものでしょう。
また、会話をする際も、AIによって最適な回答を用意してもらうことが出来たり、日常の非常に多くの部分で活用されることになるものでしょう。

日常生活のみならず、様々な産業でも利用されることが考えられています。
医療・介護・製造業や農業、音楽やお笑いなどの芸能から、運送、教育まで・・・

格差はより拡大することにはなってしまうでしょうが、このような世界なら、誰でも問題なく生きていけるようになるのではないでしょうか・・・?

 

 

さいごに

人間拡張技術については、数年前から多くの企業が足を踏みいれています。
特に大企業ではNTTでしょうかね

いくつかリンク先を張り付けておきますので、興味のある方はご覧になってみてください
(NTTロボスタ)
ロボスタ – ロボット情報WEBマガジン (robotstart.info)

(みずほリサーチ&テクノロジーズ)
みずほリサーチ&テクノロジーズ : 人間拡張:Augmented Human(1/3) (mizuho-rt.co.jp)

(人間拡張研究センター)
産総研:人間拡張研究センター (aist.go.jp)

(京セラ)
京セラの人間拡張 | 京セラ (kyocera.co.jp)

 

最後に考えてみたいのは、
これは本当に人類にとっての進歩なのか、という点です。

なぜそう思うのか?
大きく2つの疑問点があるからです。

1つは、この技術を万人が等しく享受できるのか、という疑問。
ただでさえ格差拡大が問題になっているのに、この人間拡張を使うためには大金が必要です、となれば、利用できる人が限られてきます。
そして、能力的に大きな差が生まれれば、より格差は開いていくことでしょう。
これが幸せな社会を産むモノになりえるのか?という疑問が1つ。

もう1つが人間の精神の進歩です。
古代ローマの詩人ユウェナリスが残したとされる言葉「健全な体に健全な魂が宿れかし」。
(誤解されていることが多いですが、この言葉の意味は、”健全な身体に健全な魂が宿ればいいのになぁ・・・”が正確な意味です。体を鍛えれば健全な精神が宿るという言葉ではありません。)

ようするに、
努力や痛みも必要なく、特殊な技術を身に付け、苦悩も困難もなく問題の答えをAIから教えてもらう・・・
それが人間として、人類としての進歩と言えるのか、という疑問。
つまり人間の精神的な進化への疑問です。
これは観念論的なところから生まれる疑問かもしれませんが、もっと幅広い言い方をすれば倫理的な疑問とでもいえるかもしれません。

 

この人間拡張・ムーンショット計画は、すでに進行しています。
2050年の完成を目途に進められています。

もうそれまでには30年もありません。
まだそのころまで生きている方も多いことでしょう。

あなたは、どんな未来を選択しますか・・・?

showma

健康に楽しく暮らしていきたい。子供たちに明るい未来を用意しておきたい。そんな気持ちが親を動かします