世の中には様々な占いがあります。
手相占い、星占い、姓名判断、血液型占い・・・タロット占いなどの道具を使ったものなど、非常に多種多様な占いがあります。
誰しも一度くらいは雑誌に載った占いコーナーを読んだり、
テレビの星座または血液型占いを見たことがあるでしょう
占いは我々の身近にあり、それがいいかげんで適当なものだと解っていながら気になってしまうものです。
さて、では占いというのは本当にいい加減で根拠のないものなのでしょうか?
それとも、キチンと理由のあるものであったり、どこかの何者かと繋がって見えるものがあるのでしょうか?
今回は占い、あるいは占い師の真相について考えてみたいと思います
まず、テレビの占いコーナーや雑誌の片隅に載っている星座占いのようなものは、
ほぼ100%、適当、いい加減といって差し支えないでしょう。
いわゆる根拠などほとんどないと思います。
(もちろん、それを担当の占い師に問えばそれっぽい屁理屈は語るでしょうが)
こういったものを信じている人はまずいないでしょうが、
娯楽として見るならまぁアリといえるでしょう。
しかし、占いのすべてがいい加減、適当なものだとは言えないのではないでしょうか?
例えば中国で生まれた四柱推命という占い。
四柱推命は、4つの柱(生年月日と生まれた時刻)を基に運命を推し量ろうというもの。
これに陰陽五行説(万物は火・水・木・金・土の5つの組み合わせで出来ているとする思想)が組み合わさり、
複雑、かつ、精妙なものになっています。
要するに思い付きや直感あるいは神の声なのではなく、
すべてを論理として組み合わせた結果、これこれこういった運命の可能性がある、という占いなのです。
また、こういったしっかりとした占いは統計学という見方も出来ます。
つまり、
こういった手相を持った人はこれまでに○○人いたが、そのうちの□人が事故に遭ってしまった。
その確率は△△%だから、あなたも気を付けるように・・・
というような数学的に計算されたものであるなら、あながち嘘であるとか適当であるなどとは言えないわけです。
もちろん、こういった考え方にしたって、あくまで確率なので、絶対に当たるわけではありません。
(というか絶対ではないことも同時に表している)
このように数学的に確率があることを示されたり、
それに加えて何千年も続く生年月日や自然界と人間の繋がりを論理的に融合したものであるなら、
あながちデタラメではないことは誰でも理解できるでしょう。
姓名判断にしても同様ですが、しっかりと学問として成立するような占いは、決してバカにできるものではない、
というのが私の考えです。
以前、現代の予言者としてクレイグ・ハミルトン・パーカー氏についての記事、
またこれまでの歴史的な予言者としてババ・ヴァンガ、アドルフ・ヒトラー、そしてルドルフ・シュタイナーを紹介してきました。
これらの予言者の真偽の判断は読者の方々に委ねますが、
今回は一般的な現代の占い師・予言者(店舗等でやっている占いだったり、YouTubeなどをやっている霊能力者など)はどうでしょう?
結論から書きますと、
予言者のほとんどはいい加減なもの
占い師のほとんどはその場の思い付き(前述の学問的占いを除く)
霊能力者のほとんどはインチキ
と言えるのではないでしょうか?
こういった類の職業の人間が使う技術の最も多いのがコールドリーディング、
次いでホットリーディングが挙げられます。
コールドリーディングとは
曖昧・抽象的なことを言っていかにも当たったように見せかける手法です。
一見すると難しいようですが、人間の脳の機能や心理をよく利用している手法でほとんどの占い師・霊能力者はこれを使っています。
定義するとすれば、トリックや話術を使い相手の現在・過去・未来を占ったように錯覚させる技術、といった感じです。
ホットリーディングは、
事前に相手のことを調べておいて、いかにもそれを知らない風に装って語ることです。
これは予約制の場合だとかTVの収録なんかだと、相手のことを調べる時間があるので非常に有効な手法になります。
この他にも
フォーラ―効果、ストックスピール、フィッシング、パンピング、ドッペルリーディングなどの付随するテクニックを使うことによって、
占いや予言が当たっているように見せかけることが出来るのです。
人間の脳というのは、
自分の興味のあるもの、好きなもの、信じたいものだけを探し、フォーカスする能力があります(RASといいます。)
逆に言うと興味のないものや信じたくないものは頭の中に入ってきません。
占いや予言も同様で、
当たっていること(信じたいこと)は記憶に残り、
外れたこと(信じたくないこと)は忘れてしまうのです。
占い師や霊能力者はそれをよく知っているので、
曖昧で抽象的で、どうとでも取れる言葉を選んで話をするのです。
前述のフォーラ―効果を作ったのは心理学者のバートラム・フォーラ―博士です。
博士は学生たちを対象に性格診断テストを行いました。
様々な性格診断の設問に答えるテストです。
答えてくれた学生たちにその診断結果を返すと、ほとんどの学生が「ほとんど当たっている。まさに自分の性格通りだ。」と答え、
半数近くの学生に至っては「100%完璧に当たっている。」とまで答えました。
この診断の最大のポイントは、
すべての学生にまったく同じ診断結果を渡していた、という点です。
学生がどのように答えたのかは一切関係なく、まったく同じ内容の性格診断結果を渡していたのです。
で、あるのに多くのほとんどの学生が博士の診断結果を称賛したのです。
フォーラ―博士は、この実験から30年後にも同様のテストを行いました。
その結果、ほとんど同じ結果が得られたのです。。
フォーラー博士は「人間はいっこうに賢くなっていない。どこまでいっても本質的に騙されやすい生き物だ。」
と語っています。
占い師や霊能力者がこれらの実験を知っているとは限りませんが、
少なくとも「人間とは騙されやすい生き物である」、ということは理解していることでしょう。
人が騙されるもっとも多いパターンが「甘い言葉」です。
かんたんに痩せられる
お金がどんどん入ってくる
自由になれる
あなたは本当は心優しい人間だ
強いところがありながら、繊細な部分も併せ持っている
自分の考えをしっかり持っている人だ
これらの言葉を聞いて、心が動かない人は少ないと思います。
人を騙そうとしている人は、こういった言葉が非常に効果的であることを知っていて利用しています。
スピリチュアル界隈でもよく使われており、
あなたの魂は(地球より進んだ)オリオンの生まれだ
アセンションでこれから世界は大きく変わる
神様からの言葉を届けます
これからの時代は悪が滅びていく
魂の生まれ変わりは今回が最後だ
みんなでハッピーになろう
などと、スピリチュアルスキの人が好きそうな、自尊心を満たされそうな言葉を選んで語っているのです。
それもこれも、スピリチュアルビジネスのため・・・つまりお金の為です。
根拠のないパワーストーンを高値で売ったり、
意味のないグッズを高値で売ったり、
尊師様に合うだけで何万も何十万もするツアーを作ったり・・・
詐欺師や悪意を持つものは、
自らの心が汚いことを認識し、それがバレるのを恐れます。
だからこそ、綺麗な身なりに身を包み、
耳障りの良い言葉を並べて本当の自分を隠します。
そして、引っかかった者から奪っていくのです。
全ての霊能力者、占い師が嘘だとは言いませんし、そうだとも思っていません。
しかし、ほとんどの霊能力者は「ビジネスで演じている霊能力者」であることは覚えておいた方が良いでしょう。
(占い師も、きちんと学識があるかどうかを判断した方が良いでしょう)
1980年代の初め、ユトレヒト大学のヘンドリック・ベーレンカンプ博士とシーボ・スカウテン博士の2人は、オランダの高名な占い師12名を5年に渡って追跡調査を行いました。
年に数回ずつ、占い師の知らない人の人物の写真を見せ、その人物について何が見えるかを尋ねていきました。
と、同時に占い師ではないまったく一般の人にも同様のことをしてもらいました。
その結果、
占い師側も、一般人側も、正解率はほとんど同じ。
どちらも極めて正解率が低いという結果が出たのです。
急速なネット社会の発達で、情報は毎日雪崩のように流れてきます。
そして真偽の怪しい情報も多く、甘い言葉も次々と聞こえてきます。
ハッキリ言ってしまえば、
騙そうとする側からすれば、非常にチャンスの多い時代になりました。
もちろん、何を信じるかは個々の自由ですし、
それを邪魔することも出来ません。
ただ、やはり自分の頭で考え、自分の責任で行動をする、というのが人間をして当たり前のことなのではないでしょうか?
今回の内容も、ひとつの情報に過ぎません。
この記事の内容が事実かどうか、ぜひ調べて、考えてみてください。
【参考文献】
⇒超常現象の科学 著リチャード・ワイズマン
占いや幽霊や超能力の秘密を暴いた名著。科学ですべてが理解できるかは分かりませんが、占い好きやスピリチュアル好き、不思議なことが好きな人は一度は読んでおいた方が良い一冊です。やや古い本で現在なら安く買えるのでおすすめです。