大人でスマホを所有していない人を探すのは大変なくらいです。子どもでも多くがスマホを持っていると言います。子を持つ親は、ねだられた経験のある人も非常に多いことでしょう。確かにこれからの時代は、PCやスマホをある程度使いこなせるのは”当たり前”になっていくことでしょう。
ただ大人でもスマホはゲームとして使っている人もたくさんいますし、LINEやFBなどのSNSで個人情報を抜かれ売買されていることを知らない人もとても多いです
そして、最大の問題はそれらを疑い、考えることもできないようにされていることだとしたら・・・
スマホ・ゲームの問題点 麻薬と同じように中毒にされる!
スマホが怖いと思ったことがあります。
食事をしようとラーメン屋に入った時のことです。注文を終えまっていたところ、若いカップルがお店に入ってきました。向かい合わせに座った2人はメニュー見て注文をすますと、会話もせずお互いにスマホをいじり始めたのです。結局カップルはラーメンが来るまで会話らしい会話もないようでした・・・
これが現代にとって普通のことなのか珍しいことなのかは解りませんが、こういうカップルが実際にいたのは事実です(もっとも喧嘩の最中とかだったかもですが)
スマホという現実逃避の道具が身近にあり、それを利用していた、ということでしょう
人間を含め多くの動物は赤ちゃんの頃は自力では生きていけない為、親とスキンシップを取りながら学び、成長していきます。成長していく中で仲間や友達や恋人という風に幅が広がって社会を形成していくもの。自分以外の人との交流で学ぶことは非常に多いのは異論がない所でしょう。知識だけではなく、直接の触れ合いにより、空気感だとか、雰囲気、優しさや恐ろしさを理解していきます。
しかし、基本的に一方通行の電子機器では、それらを感じ取ることは難しい。相手を理解することも非常に困難だ。自分の知り合いのFacebookを見ても「本当はこんな人ではないのだがな・・・?」ということを毎日のように投稿している人もいます。
頭ではこれらのことを理解している人は多いはずです。
でも解っていてもゲームやSNSをやめられない人は、たくさんいます。
それこそがデジタル中毒です。
事実、ゲームやネットの依存性はヘロインに匹敵するという人もいるほどです
デジタル商品は中毒にするために作られた
医学博士・岡田尊司氏は次のように語ります
インターネット・ゲーム依存の人の脳では、神経線維の走行がおかしくなり、行動や感情のコントロールにかかわる領域が委縮し、社会性や注意力、記憶にかかわる領域でも異常が起きているということだ。危惧されていたとはいえ、まさかそこまでと思っていたことが、現実となっている。依存症に陥ってしまえば、「デジタル・ヘロイン」は、麻薬と変わらない作用を及ぼすのだ。
またIT企業のトップでも同様の発言をしている人もいる。
フェイスブックの「いいね」機能を開発したジャスティン・ローゼンスタイン氏は、「製品を開発するときに最善を尽くすのは当然のことだ。だが、それが思ってもみない悪影響を与える・・・。それに気が付いたのは少し後になってからだ。」と語り、依存性ではヘロインに匹敵する作用があるからと自らスマホを含めた使用に限度を決めている。
Googleの元製品哲学担当者であるトリスタン・ハリス氏はアメリカの雑誌「ワイアード」にて「アップル、グーグル、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッターやインスタグラムといった誰もが利用している企業の製品・サービスは利用者の時間を意図的にハイジャックするように設計されている」と告白しています。
FaceBookの初代CEOショーン・パーカー氏のも、自分を含めたクリエイターたちが、利用者がサービスに中毒になるようにデザインしたと認めている。
ipodやiphoneの開発に携わったアップル社元副社長のトニー・ファデル氏も「うちの子どもたちは、僕がipadを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。それも激しく。(中略)僕は冷や汗をびっしょりかいて目を覚ます。僕たちはいったいなんて物を創ってしまったんだろうと」
大企業は脳科学者を雇用し、最先端の脳科学研究に基づきアプリなどを開発している。
例えばガチャなど「報酬系」と呼ばれる仕組みを利用している。
依存性・中毒性は始めから狙って作られているのだ
スマホやゲームとの付き合い方
EdTech(エドテック)という言葉をご存知だろうか?
Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた言葉で、教育にもっと最先端のテクノロジー技術を使おうというもの(新しいビジネス)だ。
しかし、世界のハイテク企業が集まる街シリコンバレーではそれとは逆行する教育が行われている。
「TechFree(テックフリー)教育」がそれである。
読んで字の如く、デジタル的なものを一切排除した教育スタイルなのである。
またアップルの創業者であるスティーブ・ジョブスも自身の子どもにはipadの利用時間を厳しく制限していたというし、マイクロソフトのビル・ゲイツも子どもが14歳になるまではスマホは持たせなかった。
つまり、実際にデジタル機器の最先端を走る人たちにとって、これらの電子機器は「脳によろしくない」は常識なのである。
また、電子機器を多用することにより子供も大人も、自閉症や情緒障害になる確率をあげているという研究結果もある。
最終的にはそれぞれの判断になるが、酒は飲んでも呑まれるな、の言葉と同じで「スマホは使っても使われるな」が覚えておきたい言葉だろう。
とはいえ・・・
とはいえ、否定的にとらえるだけでもダメかもしれません
確かに、脳へのよろしくない影響は見逃せません。
しかし、あくまで道具であることに変わりはありません。
我々が使い方、付き合い方を間違わなければ有用なツールになることが出来るでしょう。
例えば、SNSなどは、一昔前には考えもつかなかったコミュニケーション方法です。
「いいね」を貰うために使ったり、評価を得るために使わなければ=つまり道具に使われなければ、コミュニケーションの1つとして効果的です。
調べ物もとても便利。ただし、さっと検索して確認=それで分かった気になっている人が多いので、関連の本を読んだり、詳しい人に直接聞いたりすることで根付いた知識になっていきます。要するに知識のきっかけとしてはとても便利だということ
しかし、同時に子どもにはけっこう危険なものであるという認識も忘れずに
足の土踏まずの形成不全、肥満の増加、創造力の低下などは外遊びの減少と関係があるとする研究者もいます。
やはり、何事もバランスが大切なのかもしれませんね
●教育に関心のある方はこちらもどうぞ
⇒子どもの持つ力を育てるサドベリー
●SNSの注意点をまとめたものもあります
⇒SNS利用の注意点