ほとんどの人は「虫歯」を経験したことがあると思います。
白骨化した古代の人の歯を見ても、治療跡があったという話があるくらいですから、虫歯と人類の付き合いは非常に長いことが解ります。
しかし、そんな虫歯に関して、もしかしたら我々は大きな誤解をしている可能性があるのです。
”虫歯は歯の病気ではない”
そう唱える論文があるのです。
虫歯とは一体、なんなのでしょう?
虫歯の原因は歯ではない!? 部位を見るより全体を見よう! 身体はパーツではなく複合体
一般的に虫歯の原因と言えば、歯の汚れなどを起因とし、それが原因で虫歯菌(ミュータント菌)が増殖し、虫歯になると考えられています。
つまり「歯」という部分の局所的な問題であると捉えられてきたわけです。
従って、「歯」を虫歯菌から守っておけば、虫歯にはならない・・・というのが現代の常識であり、そのためにフッ素を塗布したりしています。
とはいえ、身体というモノは、決してパーツの組み合わせではありません。
全てが繋がりあって、連携してこその身体です。
虫歯は、歯以外の場所の疾患が、歯に巡ってきて発症している・・・
こういった研究が注目されているのです。
この研究を行い、発表したのは、米国のノーベル生理学・医学賞を受賞した細胞生物学者ラルフ・スタインマン博士である。
博士の研究の内容をみてみると次のようなものになる。
歯には「象牙質液体移送システム」と呼ばれるものがある。
「象牙質液体移送システム」とは、液状の物質が歯の神経から象牙細管エナメル小柱間を通って歯の外側へ流れ出る仕組みのことを言う。この仕組みによって歯に栄養が供給されている。
これまでの歯科医学では、この象牙質液体移送システムでは、身体に良いモノしか運ばれていない(供給されていない)という都合のいい考え方をしていた。
しかし、実際には身体にとって悪影響のあるものも運ばれていることも研究により明らかになった。
つまり虫歯の原因も、歯という局所にだけ要因があるというわけではないと考えられる。」
※歯からは常に液体が染み出している
虫歯とは何なのか?
医学の祖といわれるヒポクラテスも、歯に関して
「歯が多く残っている人ほど長寿である。」
という、現代歯科医学でも言われていることを既に発見しています。
歯を部分的なモノとして見るだけならば、
歯が無くなっても寿命には関係が無い、と考えられることでしょう。
東洋医学には経絡、という概念があります。
経絡とは、ツボとツボが繋がっている事(例えば肩こりを治すのに手のツボを刺激するなど)。
ちなみに神経が過敏になっている人は、ツボを押されるとその経絡の道筋が自分で解るそうです。
ようするに、身体は機械のパーツではなく、それぞれが繋がって構成されているという事です。歯も同様と考えるのが自然でしょう。
東洋医学では、虫歯の原因については突き止められていないようですが、もし虫歯の原因が身体の他の部分にあるとしたら、削るだけで治った・・・という現代の歯科医学は危険なものと言えるかもしれません。
※中国では殷の時代、虫歯の原因は「虫」であると考えられていた。ここから「虫歯」と呼ばれるようになったという説がある。
虫歯の治療も考えてみよう
虫歯の治療に関して、神奈川の小峰一雄歯科医が次のようなことを語っています。
長年 歯科治療を 行ってきて 分かったことは、「虫歯は削れば削るほど悪化する」という事実です。その一方で虫歯が自然に治った痕跡や、死んだはずの神経が復活している現象を何度も目撃してきました。虫歯は条件が整えば自然に治ります。しかし、私たち歯科医も、歯科大学ではそのようには習いません。患者さんに真剣に向き合っている歯科医なら、虫歯が「自然治癒」している状態を目撃したことがあるはずです。日本では歯を削ることで報酬が得られるシステムなので、一般的な歯科医はすぐに削ってしまいます。実際は、色素沈着してるだけかもしれませんし、再石灰化して治った痕かもしれません。心ない歯医者が、「虫歯でない」とわかっているのに報酬を 得るために削っているという事もあり得るのです。また、簡単に神経を抜く歯医者もいます。歯髄の痛み(歯髄炎)は、実は自然に治ることが多い。その事実は実地の歯医者が一番よく知っているはずなのですが・・・歯科大学で習った”知識”で、神経を抜こうとするのです。しかし、歯や歯の神経は絶対に抜いてはなりません。歯の神経は、歯に必要な栄養や水分を運ぶ働きをしています。そして、虫歯を防いだり、ヒビ などを「修復」してくれます。神経を抜いた歯は血が通わず、ボロボロの状態になってしまいます。歯の神経を抜くと歯周病になります。さらに、歯を抜くと歯槽骨という骨が崩れ始め歯が傾いたり、抜けたりなどトラブルを引き起こしてしまいます。抜歯が心筋梗塞や脳硬塞を引き起こすことも報告されています。心筋梗塞や脳硬塞を起こした人も発症前に歯を抜いた人は少なくなく、関連があると考えられます。
歯は、あくまで身体の一部である、という事だと言えるでしょう。現在はわずかではありますが、歯を削らない歯科医も増えてきています。
上記のようなことに気が付き、良心の元で診療を行っているのです。勘違いされると困るので一応書いておきますが、
虫歯は必ず自然治癒する、という意図では書いておりません。
削ればよい、という単純なやり方だけが歯科治療ではない、といっているのです。
歯であっても、肩こりであっても、腹痛であっても、
身体の異変というのは信号です。
身体に何らかの問題や変化が起きた時に出てくるサインなのです。
安易に薬で症状を抑えたり、切り取ってしまえばよいのではない、ということも覚えておいた方が良いのではないでしょうか?