2020年11月1日、大阪で住民投票が行われます。その題目は「大阪都構想」です。
この大阪都構想は、日本維新の会がおおさか維新の会だった頃から盛んに進めていたことで、「大阪都構想」に関しての住民投票は2回目になります。
なぜ維新の会は大阪を都にしたいのか?維新の会とは一体どんな政党なのか?そしてその党員は?
今回はこれらを簡単にまとめてみたいと思います。
維新の会の正体とは!?大阪都構想とは!?
維新の会は2012年に「大阪維新の会」という名前で結党されました。代表はテレビ番組で人気を得ていた弁護士の橋下徹氏でした。また都知事も経験した石原慎太郎氏も共同代表だった時もあります。
その後、離散や集合など色々あり、現在は「日本維新の会」という名称になっており、代表は前大阪府知事の松井一郎氏だ(共同代表に片山虎之助氏)。
※以下「維新の会」で統一します
維新の会の主な政策、思想をまとめますと次ようなものです
✅憲法改正
✅大阪都構想(大阪副首都、道州制)
✅TPP(FTA)賛成・推進
✅カジノ(IR)誘致
✅憲法裁判所設置
✅水道民営化やPFI推進
社会や経済のことを知っている方はピンと来そうな政策ですよね
これらを見る限り、グローバリズムを目指す方々なのは間違いないでしょう
そもそも維新の会は2012年の衆議院議員選挙で、衆議院議員候補者選定委員の委員長にあの悪名高い竹中平蔵氏が就いています。竹中平蔵氏は生粋のグローバリストで、日本の数々の財産を外国資本に売り渡しています(例えば税金で作ったインフラを格安で売ったり)。彼の悪行はいずれ別記事でまとめるとして、この一事を見ても維新の会の正体が見えてくるというものです。
さて、では大阪都構想はどんなものでしょう?
こちらも以下にまとめてみます。
維新の会が大阪都構想で挙げるポイント
✅大阪府と大阪市の二重行政の解消
✅交通インフラの整備
✅住民サービスの拡充
✅歳出(コスト)削減
✅大阪の地位向上(副都心化)
これらが主なポイントになります。
もちろん、これらが全て実現できれば素晴らしいと思います。
しかし、どうでしょう?
例えば二重行政の解消などは、今は府知事と大阪市長がどちらも維新の会ですから、協力すれば出来ることです(政党が違ったってその気になればできる)。
交通インフラも同様。
住民サービスに関しては市が区割りになれば各自治体の権限は小さくなり、サービスの低下も心配されます(市より区の方が出来ることが少ない)。
歳出削減に関しては大阪都になることで10年で1.1兆円のコスト削減が見込まれると試算していますが、この試算は50万人都市で計算したもの。維新案では70万人前後の都市が考えられており、計算通りになるかは不明です。また、これはあくまで一説であり当然、反対に歳出は増えると見る専門家もいます。ちなみに大阪都構想にかかるコストは1,000億円以上は間違いなく、公務員も増えるのでは?という人もおり、本当にコストが下がるのかは微妙なところです。
大阪都をより大きな都市にしたいというのも、中央集権的な考えで、実は今までの維新の会のマニフェストとは異なると思われる点です。地方分権を訴えてきたのにやろうとしているのは中央集権(=大阪都)。
いったい何がしたいのでしょう??
代表の松井一郎氏は、府知事の吉村洋文氏はどんな人物なのか!?
次に維新の会の中心人物である松井一郎代表と、吉村府知事(維新の会副代表)を見ていきましょう。
どんなマニフェストを持つ政党も、結局は「人」が動くわけで、どんな人間なのかということが非常に大切です。
松井一郎氏は前大阪府知事としても有名ですが、彼はいわゆる2世議員であり、地盤を持っています。2011年のフライデーから引用します
「松井の親父(松井良夫氏)は元府議会議長で、松井自身、親譲りの政治力がある。橋下とマキャベリスト(権謀術数主義者)同士、いつまで蜜月でいられるか。松井の親族は競艇場の経営に関与しているとも聞き、背景はよう分からんところがある。松井が知事になったら、ややこしいのがゾロゾロついてくるで」(自民党大阪府連幹部・当時)
実際、ややこしいのは増えているようですね(笑)
松井氏が過去、ヤンキーであり警察沙汰になったこともあるという事実もありますが、それを持って政治家としての資質がないとは言い切れませんのでそれは置いておきます。ちなみに前代表の橋下徹氏とは親の代から仲が良かったそうです。
政治家としての資質はどうでしょう?議員に初当選(大阪府議会議員)してから政治家として20年近くたちます。前述のとおり、大きな地盤があるので長いこと政治家をやっていますが詳しい功績などは私は見つけられませんでした。
もう一人の吉村府知事はどうでしょう?
彼は政治家になる前は弁護士でした。
弁護士時代で有名なのは武富士(大手消費者金融・2010年に会社更生法を適用し、事実上倒産した)で訴訟代理人をやっていたことです。
吉村氏は武富士の闇を暴こうとしたフリージャーナリストの寺沢有氏を名誉棄損であるとして訴えました。しかしその後寺沢氏に対して盗聴をしていた事実が発覚し、訴訟は放棄されています。その後、寺沢氏はこのスラップ訴訟を違法だとして逆に訴えを起こします。
判決では武富士の違法性が認められ、寺沢氏側に対して1,000万円を支払うことが命じられた。つまり返り討ちにあってしまったのだ。
※スラップ訴訟・・・大企業や政治家が個人などの弱者を攻撃する目的で起こす訴訟のこと。諸外国ではこれを違法だと禁止しているところもある
言動としては愛知トリエンナーレのときに大村愛知県知事に対して「辞職相当だと思う」などと発言したり、コロナに関連してうがい薬を独自に推奨して、さらにそれがインサイダーにあたるなど言われるなど、独断専行というか軽率な面も目立ちます。松井代表からたしなめられたこともあるようです。
さいごに
吉村府知事は人気があるようですね(我が家にはテレビがないので解りませんが(笑))
これはまさにテレビ効果とも思われるもので、彼の端正なルックスも人気の要因のひとつでしょう。また、テレビは総じてグローバリストを好意的に伝えています。
しかし、このような記事を読む、知識や探求心のある方はマスコミに流されず、自身の考えで判断していると思います。
この住民投票は、権力者が、一般市民の知識レベルを図ることにも使われると考えられますので、大阪にお住まいの方は、ぜひよくお考えになって投票してくださいね