前回「シュタイナーの予言・第1弾」に続き第2弾をお送りいたします。
前回は社会についてと教育についての予言を見ていきました。
今回は医療・健康について
心と精神について
そして最後に現代の悪魔について見ていこうと思います。
※シュタイナーの言葉は非常に難解なので分かりやすいよう筆者の方で訳してあります
シュタイナーの予言 第2弾
医療や健康に関して
「心臓は身体の中で血液を送り出す一種のポンプの役割をしている」と言われています。
しかし、現実はそうではありません。
心臓は次のように理解されなければなりません。
すなわち、私たちの血液システムは生きており、その生命は呼吸や飢えや渇きといった精神的・魂的本性を備えた様々な要因によって保たれています。根源的なものがこのシステムを動かしているのです。心臓の動きは精神的なものが血液システムの中に入り込むことによって引き起こされているのです。
心臓はポンプではありません。むしろ感覚器官の1つと見なすことが出来ます。
人間が潜在意識において、心臓を通して循環について知覚することができるように、身体の中にはめ込まれているのです。
これは私たちが目を通して色を認識するのと同じことなのです。
人間は昔から、心の位置は頭ではなく胸の辺りだとしてきました。
それは無意識的には心臓が感覚器官であり、精神的なものと強くつながった器官であることを知っていたからかもしれません。
シュタイナーはこの認識の誤りを唯物論(物質主義)の限界としています。
東洋の人々の内部で、本能的に明確な知識が発達してくるでしょう。
その知識は「人口の法則がどのようにしてある種の宇宙的現象と共に進行していくか」というものです。
つまり、ある星の位置と調和させることによって受胎をコントロールし、さらに優良な人間を地上に誕生させるきっかけを作りだせるようになるでしょう。
アジアの住民たちの血の繋がりを持つ人間だけが、混沌とした世の中であっても思うように宇宙の大いなる法則と調和する能力を獲得できるのです。
未来において、物質主義的な現代医学はその基盤を失うことになるでしょう。なぜなら新しい衛生学の能力が発達する瞬間に、人々は現代的な物質的医学を必要としなくなるからです。
多くの病気は心理的な方法で予防的に扱うことが可能になるのです。
医学の根本的間違い(物質的医学)を指摘し、さらに新しい医学の発展を示唆しています。
特にアジア地域の人たちによる宇宙の法則を調和する能力、というのは気になります。
マヤ文明は現代と比較しても驚くほど高度な宇宙の星々に関する知識があったと言います。
私たちの中眠っている、大いなる宇宙の法則に気が付ければ、人類も次のステップに進むことが出来るのかもしれません。
人間はさほど遠くない未来において、病気と健康についてのあらゆる考え方が変革されるのに気が付くだろう。
医学は精神の中で捉えることが出来るようになるのだ。人間は、病気を精神的な原因の結果として認識することが出来るようになるからだ。
日本では「病は気から」といいますが、まさにそれを地で行くようなシュタイナーの言葉です。
そして、それは決して迷信や適当なものではないことが現代の最新科学でも明らかになってきています。
健康診断などで、あなたのこの数値は病気の数値ですよ、と言われれば、「自分は病気だ」と思ってしまう人も多いかと思います。
このように、心(精神が)身体に与える影響はとても大きい、ということは覚えておきたいですね。
しかし、私たちがもっと精神的なことを大切だと認識できるのはどのくらいかかるのでしょうか?
シュタイナーは現代医学の恐ろしさも看過しています。医療については次の言葉を最後にして締めくくりたいと思います。
今の医療を考えるきっかけにしてほしいと思います。
近代医学に、人間は物質的な処置による本能的な洞察を身につけることは出来ますが、そのために恐るべき損害をももたらすことになります。
医学で利益を得るものはそれを有益なものだと言い張るでしょう。
そして多くの人々はその病的なものを健康的だと考えたがるようになります。
というのも人間は、ある処置(治療)をしているとそれが次第に気に入るようになってくるものだからです。人間を不健康な方向へと導いていくものが単純に好まれるでしょう。
このようなことは極めて危険な領域に足を踏み入れることと同義です。
それは、まったく利己的な(営利的な)動機によって、病気を引き起こしたり、引き起こさなかったりすることが出来るようになるからです。
精神について
私(シュタイナー)から見れば、西欧文化の発展はゲーテの時代に頂点に達し、それ以後、そのレベルは維持されませんでした。
人類がこれから先も発展を続けていくためには、精神的な側面からの全く新しい力が必要になります。
これまで人間の精神が辿ってきた道と同じ歩みを続けるなら、それは退化に繋がることになってしまいます。
医学のところでも指摘されていましたが、現代の物質主義的文明はとうの昔に限界に達しているようです。
現代の若者を見ても分かる通り、物(物質)をありがたがる人は極めて少なくなってきました。年配者は物を大切にしない!と怒るかもしれませんが、これも進化の一端であり、大切にしないのではなく、より重要なものに気が付き始めているのではないでしょうか?
将来、人間にとって宗教は不要なものになります。
なぜならそれぞれの人間が他の人間と出会うということ自体が、ある種の宗教的秘跡となるからです。
宗教による教義や教えによって生活を支える必要はなくなるのです。
私たちは理解においても、実践においても、質の高い肉体を備えているからと言って人間を単なる高レベルの進化を遂げた動物と見なしてはいけません。
大きな宇宙という世界が生み出すものが人間の中にも生み出されている、という事を認識したうえで1人1人の人間と向かい合うべきなのです。
シュタイナーの数ある著書の中では、人類の進化の歴史が描かれています。
人類は確かに進歩を続けているのです。
しかし、それは決して慢心して良いモノではありませんし、何かに頼らなければ生きていけないほど人間は弱くもありません。
どんな人間でも大きな宇宙を兼ね備えており、だからこそお互いに違いを認め、尊重し合うことが大切なのです。そこに”偉い人物の立派な言葉”は必要ありません。
私たち人間は精神的な存在です。
それは唯心論や観念論といったものではなく(シュタイナーはこれを一元論とした)、人間の成り立ちからの見解なのです。
ですから、人を差別したり、見下したりするのは、人間の根源的な所で齟齬(そご)を生じさせるのです。
ですから、私たち人間の大きな課題の1つとして、精神を思考を使って向上させる、ということがあるのです。
人間は実際、すべての素質としては精神的、魂的なものから成り立っています。
それを通じて、この地上で肉体を作り上げ、神経、骨格、血液といった各システムが成り立つ物質構造を確立しました。
ここに「精神と魂」と、そのコピーとも言える「物質と肉体」の2つが出来たのです。
つまり物質的な脳は、精神的な脳の模造に過ぎません。
そしてこの模造としての物質的な脳が、抽象的思考という構造を生み出せことも出来るのです。
少し難しくなりますが、私たちの身体は精神的なものの模造であるというのです。
つまり、心が身体を作り上げているという事です。
その中で脳は抽象的思考・・・すなわち、「物質にとらわれない高次の世界」をも描き出すことが出来ます。
これこそが人間が精神的な存在であることの証明であり、それと同時に、精神や魂を働かせて思考することの大切さを伝えてくれているのです。
私たちの思考は、物質世界をはるかに凌駕します。
だからこそ、心を忘れてしまうと、恐ろしい世界へと足を踏み入れることになってしまうのでしょう。
逆に、理性的な、精神的な心を忘れずに抽象思考へと入れば、心安らぐ安寧の世界へと繋がることも出来ることを教えてくれているのです。
悪魔に関して
シュタイナーは、悪魔の存在も示唆しています。
それは物質社会からみればとても抽象的な存在ですが、確かにそこにいるのです。
シュタイナーが伝えてくれる悪魔は大きく3体います。
●ルツィフェル(ルシファー)
●アーリマン
●聖書に登場する666の悪魔(真の名はソラト)
この3体の悪魔の詳細は今回は割愛しますが、それぞれが違う役割を担っているといいます。
この中で現代においてもっとも感じられるであろう悪魔、アーリマンに関して見ていこうと思います。
お金が世の中を支配するようになり、アーリマンが人類を欺くための重要な手段が明らかになってきました。
もし人間が「営利的・利己的人間と銀行家によって作りだされた経済体制に、法的国家と精神を対置させなくてはならない」ということを洞察出来ないならば、アーリマンは自らが受肉するための手段を得たことになる。
アーリマンは自らの受肉をより実り多いものとするために、次のような点に非常に関心を抱いています。
すなわち、現代の幻影のような虚空な科学を全く信じ切るならばそれはアーリマンにとって最も都合のよいことである。
アーリマンは自ら人類に数字を与えておきながら「自然数学的・機械学的見解は宇宙についての幻影にすぎない」ということを隠そうとしています。
アーリマンは、現代人が喜ぶ化学や生物学・工学・経済学といった学問を人間にもたらすことに非常に関心を注いでいるのです。これらの学問はあくまで1つの視点に過ぎないのですが、そのことは決して教えようとしません。
写真を想像してみてください。1枚の写真からでは全体像を見ることは決して出来ません。
もしアーリマンが受肉し、そこに学問的迷信を見出すことが出来るならば、アーリマンは大いなる勝利を手にすることになるでしょう。
アーリマンは1人の人間となり、「地上にあるものを使うだけでも、途方もない力を身につけることが出来る」ということを人々に示すでしょう。
アーリマンは、人々をお金や権力や地位といった幻想によって惑わそうとしてきます。
精神的な存在であるはずの人間にとっては、それらは大きな意味を持つモノではありません。
しかし、アーリマンは決してそれを悟られないように示し続けるのです。
お金があれば幸せになれる
現代医学は絶対に正しい
経済学は国や人類を救う
難しいことは専門家に任せよう・・・
こういった人間の弱さこそ、アーリマンだというのです。
いかがでしょう?
これらはシュタイナーの言葉のホンの一端に過ぎませんが、悪魔はやはり存在しないでしょうか・・・??
さいごに
長くなりましたが、以上でシュタイナーの予言を終わりたいと思います。
シュタイナーの言う通り、精神的な部分というものはもっと尊重されるべきだと思います。
そして、常にそれを意識して思考することによって、人として成長できていくのではないでしょうか?
今後の社会がどうなっていくのか、私たちには分かりませんが、1人1人の認識によって世界が変わっていく、ということは理解できます。
子ども達の為にも、少しでも人間として成長していきたいですね
シュタイナーに興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、著書を読んでみてください。非常に興味深いことがたくさん書かれていますよ。
最初に触れるのにはシュタイナー4大主著の1つ、「神智学」がオススメです。
よろしければぜひ!
【関連記事】シュタイナーの言葉・第1弾