今世界中で注目されているウイグル問題。
日本でも報道されており、ユニクロ(ファーストリテイリング)や東芝、日立製作所などの大手企業も関連があるとされています。
共産党・コミンテルンは過去にもっとも虐殺をしてきた思想と言われますが、中国に侵略されつつある日本も他人事ではありません。
ウイグル問題について見ていきましょう
ウイグル人権問題をわかりやすく解説
今年(2021年)1月28日、アメリカ国務長官のブリンケン氏は「中国政府はウイグル人に対してジェノサイド(大量虐殺)を行っている」と認定、トランプ政権時からの政策を継続する方針を発表した。
2月22日にはカナダ下院でも中国の行為をジェノサイドとする動議を採択し、これを認定している(ただし父親がコミンテルン=共産主義者であるトルドー内閣はこれを棄権している)。
またヨーロッパ各国でも「中国はウイグル族を100万人規模で強制収容してジェノサイドを行っている」として制裁を発動している。
中国はウイグル人を殺し、臓器売買を行い、年間約3兆円に上る利益を出しているという情報もある。
このような世界の流れの中で日本は対中制裁に慎重な姿勢を見せている・・・
これが大まかなウイグル問題の現状です。
では次になぜこのようなことが起きているのかを見ていきましょう
なぜ中国はウイグル族を虐殺しているのか
なぜこういった事件が起きているのか
それを知るには歴史を追うに限ります。
ウイグル自治区は、地理的に多くの国と接しており、これまでの様々な民族の干渉を受けてきた土地でしたが、1955年に自治区として設立されました。
首都ウルムチで、中国西部では最大の都市になります。
自治区設立の年のあたりを境に、漢民族(中国民族)の大量流入が始まります。
それまでは人口の10%にも満たなかった漢民族でしたが、現在では約4割が漢民族になっていると言います。
その後、
1957年、「反右派闘争」により、ウイグル族の多くの指導者が粛清される
1964年、中国の核実験場にウイグル自治区が選ばれる(これまでに40回以上も行われている)
1966年、「文化大革命」により、モスク(礼拝堂)の破壊や宗教指導者の迫害が行われる※ウイグル族はイスラム教徒が多い
1989年、天安門事件直前に中国に対するデモが行われる。デモ隊は中国政府庁舎に突入し、死者50名、逮捕者6000名以上が出る。
1996年、中国はウイグル族の不満をかわすためウイグル自治区に大規模な経済投資を行う。しかし、実態は監視・取締の強化でもあった
2003年、高等教育において少数民族の固有言語を使用禁止にした(漢語に統一)
2009年、漢民族によるウイグル人殺害を切っ掛けに「ウイグル騒乱」勃発。首都ウルムチでウイグル族と中国武装警察の戦闘が起きる。中国政府はこの争いにより約200名の死者が出ており、そのほとんどが漢民族だと発表。しかし、その後1万人以上のウイグル族が行方不明になっていることが判明している
2014年、「ウルムチ駅爆破事件」発生。ウイグル族の中国政府への不満が原因とされている。直前まで習近平がウイグルにいた為、中国政府はテロ対策としてウイグル族への圧力をさらに強めた。現在ではウイグル族を強制収容し、収容所では洗脳、虐待、性的暴行が日常的に行われていると言われる
この歴史の流れを見ると、中国は当初からウイグル族を抹殺しようとしているようにも見えます。事実、中国政府はPUBFという制度(後述)で「民族の統一を目指す」といっているので、根拠のない話でもありません。
ちなみに1966年から行われた文化大革命とは、大躍進政策の失敗により権力を失った毛沢東が復権のために行った意図的な民衆暴動などのこと。国内敵対勢力の排除が目的。これによる死者は2000万人にものぼると言われる。
これのみならず、共産主義は過去最も人を殺した思想と言われています。
共産主義についてはこちらの記事で確認できます
⇒共産主義とは!? 社会主義との違いと日本共産党の正体
ウイグル民族は本当に苦しんでいる
中国は当たり前のようにこの虐殺を否定、しかも”内政干渉だ”として反発しています。
イギリスの制裁措置に対して特定団体の入国禁止や資産凍結などの報復措置もとられています。
しかし、様々な情報を鑑みて見ると、ウイグル人に対して非人道的な事をやっているのはかなり確かな情報のようです。
漢民族がウイグル自治区に大量流入すると、ウイグル族の伝統的なイスラム信仰や慣習が大きく虐げられているそうです。ウルムチ市内には多数の監視カメラが設置され、監視員(主に警察各部隊)がウイグル人を監視・管理しているといいます。
また2014年以降、ウイグル問題が国際的になると、中国はジャーナリストなどの入国制限を敷き、取材を受けたウイグル人に対して制裁を加えた事実もあります。
ウイグル自治区には500か所以上の強制収容所があり、100万人以上のウイグル人が無理矢理入れられています(ウイグル人は1000万人いると言われている)。
その中で虐待、性的暴行、洗脳、殺害しての臓器売買が行われているのです。
※ちなみに中国は臓器売買は以前から行っており、法輪功という団体にも行ったことが有名です。
また前述のPUBFというものは、「Pair Up and Become Family」の略で、ペアで家族にさせる、というもの。
夫が強制収容され、残された妻子に対して漢民族の男を送り(もちろん、面識もない)、「親族」と呼ばせ家族生活を送らせる。そこで「中国人として」正しい思想や立ち居振る舞いを身に付けさせるのだという。中国はこれを認めており、「民族の統一」の促進だとしている。
こう言ったことが明るみに出て、中国に対する各国の制裁や発言に繋がっています。
日本も4月16日にようやく日米共同声明の中でウイグルに対して「深刻な懸念を共有する」と盛り込むに至っています。
⇒共同通信記事
共産主義とは、の記事でも書きましたが、中国は日本の侵略も狙っているというのは眉唾の話ではありません。実際、政財界人の多くの人が資金提供を受けたり、ハニートラップに引っかかったり、あるいは企業の工場が中国にあるため首根っこを押さえられていたりします。そのため、これだけのことが分かっていながら日本は「慎重な姿勢」しかとれないのです。
対岸の火事ではない!
ウイグル自治区は正確には「新疆ウイグル自治区」といい、新疆綿の産地でもあります。
大手アパレルメーカーがある程度の品質のものを安価で販売しても利益が出せるのも、新疆という人件費が非常に安いところで生産されているものを使っているからです(もちろん、企業努力もあります)。
しかし、このウイグル族への虐殺が世界的ニュースになると、
H&Mやパタゴニアなどのアパレルメーカーは新疆綿の取り扱いを中止すると発表しています。
人権NGO(非政府組織)ヒューマンライツ・ナウと日本ウイグル協会が、強制労働に関与したと思われる日本企業に対して事実関係についての質問をしています。
その結果、
(第3者による監視を実施すると表明)
日立製作所、ソニー、TDK、良品計画、京セラ(取引が無かった)
三菱電機、ミツミ電機、シャープ、ファーストリテイリング(取引を確認)
しまむら(無回答)
パナソニック
このような回答があったそうです。
しかしファーストリテイリング(ユニクロ)に関しては、フランスのNGO団体から、強制労働の恩恵を受けているとして告発されています。
また、無印良品は新疆綿の取り扱いを継続すると発表しています。
我々にできることの1つは、これらの企業の発表や行動を見て、消費活動に反映させることです。国によっては新疆綿を取り扱う企業の不買運動などが起こったりしています。
つまり、我々の日常の生活を少し変えるだけで、ウイグル族を、引いては自分たちの人権を守る意思表示ができるのです。
また、昨今はコロ助の影響もあり、事実が報道されにくくなっています。
大手マスコミではなく、本により本当のことを知ることが世界を変えていく方法でもあります。人に教えてあげたりするのもとても良いことだと思います。またそういったことが本物の教養になっていきます。ウイグル問題に関してはウイグル人女性の「命がけの証言」という本や、「私の身に起きたこと~とあるウイグル人女性の証言~」、「ウイグル人に何が起きているのか」などで詳しく知ることが出来ます。
興味があるうちに読むと知識として根付きやすくなります。ぜひご覧になってみてください。